文化とアートのある暮らし

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第9回
~音を織り、織りから聞く~ 渋谷アップリンクにて上映と演奏会を開催!

長く続く雨に、ようやく休符が打たれようとしています。
やがて日差しが戻り、ようやく初夏を迎えるのでしょうか。

本コラムでお送りしてきました、「音を織り、織りから聞く」がいよいよ公演として実施できる運びとなりました。
第一回目は、東京にて行うのですが、企画するに至った経緯のお話と上映 、そして生演奏 を予定しております。


音と織物がテーマなのですが、のちに京都に拠点を置く予定の企画もあり、そして京都で織物といえば西陣織! です。西陣織とピアノが折り重なることをイメージしていきます。

公演第一回目は、東京渋谷にある映像上映スペース「アップリンク」にて、関西を拠点に文化人類学を研究されている伊藤悟さんにお越しいただき、音と織物の関係について、ひとの身体を通して長く紡いできた、ある少数民族の伝承芸術をご紹介する会になります。
織物というと、高級品をすぐにイメージしてしまうかもしれないですが、かつては日常のなかで一般的なものでした。第一回目のコラムでも書きましたが、西陣織が現在までに広く普及したのも、平安京で宮中に仕えた工人が私的に織物を製し始めたことがきっかけです。よって政治的に管理されていた西陣織の厳正な規格はその頃より乱れが生じますが、 ものごとが普及したり流行したりするのは、政治から離れたところで起きることが多いのは、この出来事で垣間見ることができますね。

伊藤悟さんによって紹介していただくある少数民族とは、中国雲南省に暮らすタイ族なのですが、タイ族は織物がさらに日常的で、女性がお嫁にいく修行として長く伝承されてきたようです。気が荒い性格なのか、繊細なのか、にぎやかなのかおしとやかなのか。織ることでその女性の全てが「音」に表れると確信していたため、結婚を音のみで判断していました。
また、こうして音でアプローチするのが女性だけかというとそうではなく、男性も別のアプローチがあるのです。




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