荒野のエッセイスト(音楽編)

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第10回
無人島レコード

僕は悩んでいる。
悩んで、悩んで、悩み抜いている。
「無人島レコード」(レコード・コレクターズ増刊号)という本がある。
「もし無人島に1枚だけレコードを持って行くとしたら?」
これがテーマである。
持って行くレコードはアナログでもCDでもシングルでもアルバムでもOKだが、2枚組の場合は、そのうちの1枚を選ぶ。
音楽好きな97人の著名人がそれに答え、それぞれロネッツ「ビー・マイ・ベイビー」、エルヴィス・プレスリー「ハウンド・ドッグ」、ミーナ「砂にきえた涙」など、エッジの利いた1枚を紹介している。

この本が発売された2000年から「僕だったらどうしよう」とずっと考え続けている。
レコード・コレクターズから原稿の依頼が来た訳ではないので、そんなに悩まなくてもいいとは思うのだが、それが決まらないとどうもスッキリしない。
こんなことも決められないのは人間として失格ではないかとさえ思えてくる。
一つだけハッキリ言えるのは、「ビー・マイ・ベイビー」のようなシングル盤はいやだということ。何としてもアルバムにしたい。一曲ごとに掛け直すのは面倒くさい。
いつまでもウジウジしてはいられない。僕は何とか次の3枚に絞ることができた。

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