外国人に日本語を教えてみませんか!

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第9回
日本語教育の現場リポートⅠ ――インターカルト日本語学校加藤早苗校長に聞く

今回は、東京都台東区にあるインターカルト日本語学校(※)の校長、加藤早苗先生にお話をお聞きしてきました。インターカルト日本語学校は、今年で創立35周年となる老舗の日本語学校で、世界各国から集まってきた外国人への日本語コースと、将来の日本語教師を養成する日本人向けの講座を開いています。

加藤早苗先生

インターカルト日本語学校代表・校長。
インターカルトの日本語教師養成講座を受講後、複数の日本語学校で非常勤講師を経験し、翌年インターカルト日本語学校の専任講師に。以来25年、日本語教育の第一線で活躍。


――最近の日本語学校の動向について、教えてください。

今年になって、留学生の数は上向いてきていますが、リーマン・ショック、そして、昨年の震災による影響は大きかったですね。
現在、私たちの学校では、台湾、中国、韓国、タイ、ロシア、アメリカ、イタリアなど、年間で50カ国くらいの国から来た学生たちが学んでいます。日本語を使って仕事をしたい人、日本の大学や大学院への進学を目指している人、日本の文化が好きな人と、学習目的もいろいろです。

――御校ではシルバー世代の教師の採用も行っていますか。

はい。シルバーの方の場合は、国内よりも海外で教師をしたいと考える方が多く、そういえば、私たちの学校の養成講座で学んで教師になり、中国語圏で教えてきた主に60代、70代の男性教師による老酒(ラオチュウ)会という集まりがあって、よく飲み会に誘われます(笑)。この会がどうして発足したかというと、以前、中国に教えに行ったある先生から、同じように中国で教えている人と情報交換をしたいと学校にメールを送ってきたんですね。そこで、養成講座を修了して、中国で教えている教師のメーリングリストを作ったのが、この会の始まりなんです。
中国は、比較的年齢が上でも就職しやすく、主に大学の講師として日本語を教えている方が多いです。老酒会の皆さんも、行く前は不安もあったのかもしれませんが、若い学生さんたちに日本語を教えることで、元気いっぱい、つやつやなお肌になって帰ってきましたね。任期満了で帰国した後、家族を説得して、再び中国に教えに戻った人もいましたよ。

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