負けないぞ!賢者の資産形成術

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第22回
その21“目標収穫高の設定”

皆さん、こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの山田英次です。

前回まで国際分散投資の基本について解説してきましたが、皆さんはどんな印象を抱きましたか?

国際分散投資という言葉自体は分かりやすいのですが、その理論を理解して忠実に実行していくことは、とても難しいものです。

この理論をシンプルに表すのであれば、「正しく分散して、適正な分散比率を保ち、そして時を待つ」ということになるのですが、この簡単なはずのノウハウを自分のものとしている人は、意外と多くはありません。

理論やノウハウを自分のものにするということは、自分の大切な資金を投入して、きちんと増やしていくことを意味していますが、多くのプレイヤーが挫折してしまったり、自分の資産を減らした状態でマーケットから途中退場してしまったりするのは、なぜでしょうか?

もちろん事情は人それぞれ異なるのでしょうが、良い結果が出ていない最大公約数的な要因の一つに、「感情による投資」が挙げられると思います。資産運用に臨んでいる人であれば誰でも「よい結果を出したい!」という感情をもっていると思いますが、大切なのは、その「よい結果」が意味するものです。

今回のコラムでは、この点について考えてみたいと思います。

どれだけ儲けたい?

結局のところ、資産運用にチャレンジする理由は「お金を増やすため」以外の何物でもないはずですが、みなさんは自分のお金がどれくらい増えたら満足しますか?

例えば、ここに自由に使える余剰資金1000万円があったとします。1年後、(かなりの高利回りですが)10%の利益がでて、1100万円になった。つまり、100万円の運用益がでたとしたら、皆さんは満足できますか? これと同じ質問をセミナーやコンサルティングの場ですることがありますが、多くの方からいただく答えは「満足できます!」です。

銀行預金と比較して考える方が多いようで、現在の普通預金の金利(0.02%)であれば、1000万円という大きなお金を預けたとしても、金利は2,000円、税引き後は1600円という何ともさみしい限りの金額になるため、それと比べると100万円はかなり大きな金額に感じるようです。

でも、少々意地悪ですが、次の質問をすると、皆さんの答えはバラバラになります。

「同じ時期に、知っている人が同じ1000万円を1200万円にしていたらどう思いますか?」

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