内山悟志の骨太エイジレスライフのすすめ

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第10回
エイジレスライフの自分ポートフォリオ

人それぞれの人生なので、何を持っていれば幸せで、何を持っていなければ不幸だというものではない。しかし、何か不足していると感じたら、それを充足させようとするための働きかけが必要であり、そのために費やす労力は生きがいにもなりうる。重要な点は、まずは自分に何が足りていて、何が足りないかを知ることである。

自分の持っているものの棚卸し

楽しく豊かなエイジレスライフとはどのようなものかはそれぞれの考え方によるが、何をやるにも体が資本であるため健康は維持したいし、先立つものはお金なので経済的なゆとりもある程度必要であろう。また、独りでは何をしていても味気ないとすれば、家族や仲間の存在は大切だ。若い時は仕事に振り回されてなかなか自分の時間が作れないでいたが、退職とともに時間はふんだんにできるかもしれない。一方でその時間を上手く使う方法がわからないといったこともあるかもしれない。そこで、お薦めしたいのが自分ポートフォリオを作ることである。例えば、豊かな生活をおくるために必要な要素をいくつかあげ、それに対する充足度をプロットしたものが自分ポートフォリオである(図1)。

図1.自分ポートフォリオの例

図の例では、「時間」「お金」「仲間」「家族」「健康」の5つを評価軸とし、自分が考える理想像におけるそれぞれの相対的な重要度と現状における充足度を評価してプロットしている。評価は、5段階などの尺度で感覚的なもので構わない。例えば、お金でいえば何億円の資産があっても足りないと感じるかもしれないし、数十万円しかなくても十分だと思うかもしれない。また、他に大切だと思うものがあれば評価軸を増やしてもよい。重要なのは、自分がどの部分に不足感を持っているかということを明らかにすることである。お金が不足しているとすれば、それをどのように充足するかを考えなければならないし、家族との関係が充足していないと感じていれば、それをどう改善するかを考えることになる。どれも大切な要素であるので、これらを充足させようとする取組みは、決して苦痛ではなくむしろ生きる活力の源泉となることであろう。

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