内山悟志の骨太エイジレスライフのすすめ

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第9回
エイジレスライフの4つのステージ(その3)

これまで2回にわたってエイジレスライフの4つのステージについて、それぞれの特徴を述べてきた。今回は、それぞれの段階ごとに特徴的な関心事と行動特性について解説しよう。

それぞれの段階に応じた関心事と消費行動

エイジレスライフをおくる過程で探究や挑戦が繰り返されるわけだが、これを4つの段階にあてはめると、それぞれの段階ごとに特徴的な関心事が存在し、それに伴った消費行動が発生すると考えられる。趣味趣向やライフスタイルは人それぞれであるため、4つの段階と消費行動をステレオタイプに結び付けることはできないが、代表的な例を想定することはできよう(表1)。

表1. 4つのステージの関心事と消費行動の例

出典:fromNow

例えば、再評価段階では自分探しのために、新しい趣味や習い事に挑戦するという行動が発生する。子どもが小さいうちは子ども中心に動いていた休日も、多少時間を持て余すようになり、休日の有効な過ごし方を求めることもあろう。仕事についても、現在の仕事に残りのビジネス人生を賭けるべきかどうか疑問を持ち、ビジネススクールに通ったり、転職を視野に入れた情報収集を行ったりといった行動も多く見られる。

解放段階になると、再評価段階における自分探しの活動の成果である「本当の自分」の候補の中のいくつか試すための具体的な行動がとられる。独立起業、田舎暮らしのための転居や別荘の購入など、仕事やライフスタイルを変えるような大きな決断をする場合もある。

まとめ段階には、健康に注意を払いつつ、趣味、地域活動、旅行などを通じて、人や社会とつながりながら心豊かに生きていくことに関心が向く。時間とお金にある程度の余裕ができてくると、文化や芸術への興味が高まったり、自然とのふれあいを大切にするような行動が生まれ、旅行、園芸、観劇、美術、コレクションなどその選択肢は多岐にわたり、多様な消費行動が発生する段階といえる。

アンコール段階では、まとめ段階までに方向づけた自分のライフスタイルを維持しつつ、ライフワークとして取り組む仕事(有給・無給を問わず)、趣味や興味を自分のペースで深めていくことに力を注ぐようになる。また、やり残したと思うことに再挑戦するために習い事を再開することも多い。

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