内山悟志の骨太エイジレスライフのすすめ

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第6回
マイナス思考の加齢学に終止符を打て

エイジレスライフはプラス思考で

新しい加齢学を提唱するジョン・W・ローウェ博士とロバート・L・カーン博士は、著書「年齢の嘘」(日経BP社)で、これまで通念とされていた6つの古い常識を科学的データに基づいて誤解として解き明かした(表1)。

表1.古い老年学における6つの誤解

通念1:高齢者は病気がちだ
通念2:新しい技術は若くなければマスターできない
通念3:今さら始めても遅すぎる
通念4:両親(からの遺伝)は選べないからあきらめるしかない
通念5:明かりはつくが、電圧は低い(性的関心は衰える一方だ)
通念6:高齢者は社会のお荷物だ

出典:「年齢の嘘」ジョン・W・ローウェ/ロバート・L・カーン(日経BP社)

本連載第3回「エイジレスライフとは何か」では、エイジレスライフを“年齢を意識しない生き方”と定義し、一般的には40歳代くらいから次第に始まる幅広い概念であることを述べた。また、第5回「元気で活動的なエイジレスライフ」では、65歳以上の人の中で経済的にも健康上の点からも自立的に活動できる人が約6割を占めていることを示した。そして、ここに述べたように脳科学やジェロントロジーの観点からも、人は後半生も成長し続けるものだということが示された。年齢を重ねることは、何かを失っていくことではなく、さらに多くの体験や経験を積み重ねていくことを意味し、その過程では、さまざまな探究や挑戦という行動が繰り返されていくと捉えるべきなのである。

どんなに資産や社会的地位を手に入れた人でも、そうでない人でも同じように歳を重ねることは避けられない。そして、同様に1日24時間という時間だけは確実に平等に与えられている。エイジレスライフの過ごし方は、個々人のプラス思考の持ちように委ねられているのである。

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