内山悟志の骨太エイジレスライフのすすめ

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第4回
今、エイジレスライフ世代にできること

今回は、エイジレスライフをおくる人々だけでなく、日本全体で考えなくてはならないことについて述べたい。それは、震災を受けて新しい「日本」をどう創るかという問題だ。「日本」をどう“復旧するか”や“再生するか”ではなく、新たな日本をどのように“創造するか”という課題に直面しているように思うのである。特に、これまでの日本を支え、成長させてきたエイジレスライフ世代の我々が再び立ち上がることが期待されている。

求められる新たなモデルの構築

震災は、計り知れない影響を及ぼし、戦後最大の試練とも言われている。確かにそのとおりだ。今回の東日本大震災は、自然の脅威に対して、人間が造ったものの無力さを感じざるを得ない出来事だった。国債をつぎ込んで長い時間をかけて交通網、電力網、通信網などの社会インフラを整備してきたが、自然は一瞬にしてそれらを破壊してしまった。

一方で、バブル崩壊の1990年頃から約20年の間、内閣総理大臣は14人目、(銘柄は変わっているものの)日経平均は約4分の1、国際的に見てもGDP や各種経済指標において中国をはじめとした新興国の台頭が著しく、日本の相対的な位置づけは低下する一方といわざるを得ない。

また、以前から突き付けられている長期的な課題として、少子高齢化とそれによる若年労働力人口の減少、地球環境問題とそれに関連するエネルギー問題、食糧自給率の低下などが依然として横たわっている。

日本は、地震などの自然災害が多い国ということに加えて、資源小国、超高齢社会に最も早期に突入する国であることを再認識し、これらと正面から向き合っていかなければならない。そのためには、経済大国という奢りを捨て、新たな誇りを築き上げていかなければならないのではなかろうか。

自然災害に強い国、代替エネルギー先進国、高齢化先進国としてのモデルを構築し、サステナブルな(持続可能性の高い)国家を目指していくべきではないだろうか。

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