内山悟志の悠々快適エイジレスライフ

バックナンバー

第35回
はとバスで東京観光を楽しむ

旅の楽しみ方はさまざまだが、今回ははとバスを利用した東京観光を紹介しよう。長年在住していても案外知らない東京の魅力を再発見できるのでないろうか。

長年東京に在住している人でもはとバスに乗ったことがないという人は多いのではないだろうか。東京は地下鉄などの交通網が発達しているので、わざわざ観光バスに乗らなくても、行きたいところには行けるということもあって、筆者もよく見かける黄色いバスに乗ったことがなかった。今回は田舎から旧友が上京するというので、一度は乗ってみたかったはとバスの東京半日ツアーに申し込むことにした。
さて、はとバスとは株式会社はとバスが運用している定期観光バスの愛称だ。東京都内・横浜市内を発着しており、昼夜合わせて常時100以上のコースを運航している。それ以外にも他県に足を延ばす日帰りや宿泊コースも多数運航している。東京駅丸の内南口の乗り場が有名だが、それ以外にも新宿、池袋、上野、銀座、浜松町、品川などを発着するコースもある。観光名所巡りのツアーだけでなく、ホテルランチやちゃんこ鍋など食事を絡めた企画、ダンスやモノマネなどのショーを楽しむ企画、夜景やクルーズなど多彩なツアーがある。
今回は、「2階建てバス・下町ここイチ(浅草散策)」というコースの午後便を選んだ。料金は大人1名3,400円だ。日曜日ということもあってほぼ満席だ。はとバスは外国人観光客にも人気だが、そちらは外国語ガイドつきツアーを利用するため、一般の日本語ガイドのツアー客はほぼ全員日本人であった。東京駅丸の内南口を14:10に出発し、日本橋、浅草橋問屋街などを車窓から見学しながら浅草に向かった。

神谷バーの電気ブラン

ここで70分の自由散策の時間となり、多くの人々は仲見世から浅草観音を散策したようだが、食いしん坊で酒飲みの我々がまず向かったのは芋羊羹で有名な「舟和」の甘味処だ。ここで「柚子白あんしるこ」で暖まり、さらに有名な神谷バーで浅草名物「電気ブラン」で暖まった。神谷バーは、1880年創業で日本初のバーと言われている。現在の建物は大正10年(1921年)に建てられたもので、関東大震災と東京大空襲をくぐりぬけて今も浅草に残る唯一の建築物と言われており、店内も大正ロマンの風情を残している。2階はレストラン、3階は割烹となっているが、1階のバーは「下町の社交場」と呼ばれるに相応しく、昼間から約150席がほぼ満席の賑わいであった。電気ブランは、明治15年(1882年)に神谷バーの創業者である神谷傳兵衛が開発したアルコール度数30度のブランデーベースのカクテルで、ブランデー、ジン、ワイン、キュラソーなどが配合されているらしいが、材料の詳細、配合の割合は今も秘密にされているらしい。電気ブランは、バーの外に設置された売店で瓶入りを購入することもでき、筆者も360mlの小瓶を1本自分へのお土産に買い求めた。



コメント