内山悟志の悠々快適エイジレスライフ

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第36回
世界一周旅行を企ててみる

世界一周旅行というと夢のまた夢と思えるが、企てるだけならお金も時間もなくても誰でもできる。いつかは現実にしたいと夢を膨らませながら計画を立ててみるのも悪くない。

世界一周旅行がどうしてもしたいと思っているわけではないのだが、仕事をリタイアするなどして時間を自由に使えるようになった時に、どんなことをしたいかを考えるのは少しワクワクする。村上龍の中編小説「55歳のハローライフ」(幻冬舎)でも、定年後にキャンピングカーで好きな時に好きなところに旅に出る夢を持つ男が登場するが、その気持ちはわかるような気がする。実現できるかどうかはわからないが、まずはどれくらいの費用がかかるのかが気になったのであれこれと調べてみることにした。
世界一周旅行といって最初に思いついたのは豪華客船での世界一周クルーズだ。国内では日本郵船が運営する飛鳥Ⅱでのツアーが有名である。早速Webサイト(http://www.asukacruise.co.jp/schedule/index.cfm?action=detail&id=173)で調べてみると、104日間のクルーズ料金は最も安価な客室で422万円(早期全額支払割引代金で、客室を2 人で利用した場合の1人あたりの代金)、最も高額なロイヤルスイートの場合は早期全額支払割引代金でも2,280万円とのことだ。食事代や観光の費用は別途必要であり、これにはとても手が出ないので、早々に別の手段を考えることにした。

それでは空路による世界一周はどうだろうか。国際的な航空会社のアライアンスであるスターアライアンス(全日空、ルフトハンザ航空、ユナイテッド航空など)、ワンワールド(日本航空、アメリカン航空、ブリティッシュエアウェイズ)、スカイチーム(デルタ航空、エールフランス、大韓航空など)が世界一周航空券というセットチケットを用意している。世界一周航空券は、出発地から世界を巡ってまた出発地に戻るまでの連続した区間数分の航空券で、出発から帰国までが1セットとなっているため各路線のチケットを切り離しては別々に使うことはできない。ちなみに世界一周航空券での世界一周の定義は「太平洋と大西洋を各々1回のみ渡って出発地に戻ること」であり、基本的には東方向か西方向の同一方向に逆戻りせず回らなければならないというのが周遊のルールだ。
料金設定や周遊のルールはアライアンスごとに少しずつ異なるので、それぞれの特徴を図1にまとめた。

図1.各アライアンスの世界一周航空券の概要

アライアンス名 周遊ルール 料金設定(サーチャージ・空港税含まず)
スターアライアンス ●最低旅行日数は10日、有効期限は1年
●3~15回までの立ち寄りが可能
●同じ都市での途中降機は1回だけ、経由・乗り換えは3回まで
3段階のマイル数(39,000、34,000、29,000)ごとに運賃が変わる
最安値:347,800円(29,000マイル、エコノミー)
http://www.staralliance.com/ja/fares/round-the-world-fare/
ワンワールド ●9日以内の周遊も可能
●3~15回までの立ち寄りが可能
●大陸ごとにフライト回数制限あり
訪問する大陸の数(3~6)によって運賃が決まる
最安値:335,000円(3大陸、エコノミー)
http://ja.oneworld.com/flights/round-the-world-fares/oneworld-explorer
スカイチーム ●最低旅行日数は10日、有効期限は1年
●3~15回までの立ち寄りが可能
●同じ都市での途中降機は1回だけ、経由・乗り換えは2回まで
3段階のマイル数(38,000、33,000、29,000)ごとに運賃が変わる
最安値:400,600円(29,000マイル、エコノミー、※燃油サーチャージ込)
http://www.skyteam.com/ja/Flights-and-Destinations/Round-the-World-Planner/
出典:各アライアンスのWebサイトを参考に作成

航空運賃だけなら最安値で30万円代と何とか手の届きそうな金額帯であるし、10日以上の日程で(ワンワールドの場合は10日未満も可)3か所以上を巡れば成立することがわかったので、旅程を考えてみることにした。各アライアンスのWebサイトには周遊旅行計画ツールが用意されており、世界地図上の地点を選択することで立ち寄り地を決めていくと、フライトの経路や空席状況を確認でき、旅行代金(燃油サーチャージおよび税込み)を計算してくれるのでとても便利だ。この経路シミュレーションで立ち寄り地を考えているだけで旅の楽しみを疑似体験できるような気がしてくる。




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