内山悟志の悠々快適エイジレスライフ

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第11回
情報セキュリティ意識にみる世代間格差

特に「ボット」や「マルウェア」といった英語起源の専門用語において高齢世代の認知率が低い傾向にあることを鑑みると、インターネットを利用する高齢者に配慮した、わかりやすい普及・啓発活動が重要であることは言うまでもない。しかし、この世代にはそもそも不安が大きいためインターネットを利用していないという人も少なくないことを忘れてはならない。
一方で、エイジレスライフを送る人々にとって、ショッピング、銀行などの金融サービス、住民サービスなどを、インターネットを介して利用することの恩恵は大きい。とりわけ各種施設への便が不自由な地域の住人にとっては、ネットは救世主となりうる。また、すでに人口の4人に一人が65歳以上であることを考えると、高齢者は特別な存在ではない。
今後さらに高齢化が進むことを考えると、こうした世代を特別視して固有の配慮をするというのではなく、年齢・性別・国籍・障害の有無などを問わず誰もが快適にITを利活用できるようにユニバーサルな環境を提供していくことが求められよう。
こうした取り組みにより、高齢化先進国として、安心・安全な社会基盤とビジネスモデルを構築し、国際的にリーダーシップを発揮していくことが我が国のこれからの使命ではないだろうか。

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