内山悟志の悠々快適エイジレスライフ

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第21回
路線バスだけでどこまで行けるか!やってみた(前編)

旅の形態はさまざまだ。きっちりと計画を立てて行くのもよし、風の向くまま気の向くままにふらっと旅に出るもよしといったところだ。

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」というテレビ番組をご存知だろうか。テレビ東京系列の『土曜スペシャル』で、2007年10月から年2~3回の頻度で放送されている企画番組で、太川陽介さんと蛭子能収さんに女性ゲスト(マドンナ)1人を加えた3人が、日本国内にある路線バスを乗り継いで3泊4日の日程内に目的地への到達を目指すというものである。
類似の番組に、「路線バスで寄り道の旅」(徳光和夫・田中律子など、テレビ朝日系列)、「ぶらぶらサタデー・タカトシ・温水の小さな旅」(フジテレビ系列)などがあるが、ガチンコ度合いという点では「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」が断然面白い。
さて、筆者も旅行好きなこともあり、このような企画旅行をしてみたいと常々思っていたのだが、ついにそれが実現できた。今回と次回にわけて、「路線バスだけでどこまで行けるか!やってみた」と題して、その珍道中を実況中継風にご報告しよう。

まず、旅のルールだが前述の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」に倣って、「電車、タクシー、高速バスは使用禁止、バスが繋がらなければ歩く」「携帯電話・スマートフォンで情報を調べてはいけない」が基本ルールだ。一方、番組では「3泊4日で特定のゴールを目指す」だが、今回の筆者たちはゴールを決めず、「1泊2日でどこまで行けるか行けるところまで行ってみる」というルールを設定した。土曜日10:00に新宿駅西口に集合とし、集まったのは、筆者と高校時代の同級生3名の4人旅(うち女性2名)だ。どうせなら、温泉に宿泊したいという思いから、箱根・熱海・湯河原など温泉地が多そうな西を目指すこととなった。



10:16 新宿駅西口から渋谷駅を目指す

まずは、田園都市線、東急東横線など南西方向へのアクセスの拠点である渋谷を目指す(新宿駅西口10:16発【京王バス】10:45渋谷駅西口着)。
乗り換え地に着いたらまずバス路線図と時刻表を探し、次の目的地を決める。
渋谷からは、田園調布方面と大井町方面行きの選択に迫られたが、川崎方面のつながりが良いと判断し大井町行きに乗る(渋谷10:50発【東急バス】)。
大井町に向かう車中で地図と睨めっこしていた筆者が、五反田から川崎駅行きのバスがあることに気づき、急遽大崎郵便局で下車し、五反田駅まで歩く作戦に変更した(五反田駅11:29発)。こうした臨機応変な対応もこの旅の醍醐味といえる。
五反田駅からは第二京浜を走る東急バスで川崎駅を目指す。午前中の東京脱出はならず、12時03分に多摩川大橋を通過、神奈川県に突入し、川崎駅西口に到着する(12:15)。ここから横浜方面を目指したいが、バス停を探して川崎駅の西口と東口を行き来し、ようやく1時間に2本しかない横浜駅行きを見つけた(川崎駅西口12:54発【横浜市営バス】13:45横浜駅東口着)。横浜で遅めの昼ご飯を食べ、次の乗継地を戸塚に定める(横浜駅東口14:59発【神奈中バス】)。
しかし、ここで国道一号線の渋滞にはまり、横浜から1時間40分かけてようやく戸塚に到着した。振り返ると、この横浜~戸塚が今回の路線バスの旅で最も大きく時間をロスした道のりとなった(16:40戸塚駅着)。この時点で、この日のうちに温泉地の旅館にたどり着くのは無理そうだと思ったが、遅れを取り戻すために少しでも先に進んでおきたい。
藤沢駅行き(16:52発【神奈中バス】)に乗り、17:40に藤沢に到着、すぐさま辻堂行き(17:55発【神奈中バス】)に乗り継ぎ、辻堂に着いたのは18:20となっていた。
この時間帯になると、そろそろ晩ご飯と宿を心配しなくてはならない。辻堂で宿泊施設を調べたがビジネスホテルが1軒しか見つからず、そこに電話してみると満室とのことだ。
やむを得ずわずかな可能性に賭けて、その先の茅ケ崎を目指すこととした(辻堂駅18:40発【神奈中バス】19:10茅ヶ崎駅着)。

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