内山悟志の悠々快適エイジレスライフ

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第21回
路線バスだけでどこまで行けるか!やってみた(前編)

茅ヶ崎駅に着くとすぐに観光案内所に飛び込んだ。宿泊施設をいくつか紹介してもらって次々に電話をかけてみたが当日の19時過ぎということもあってなかなか空いていない。諦めかけて他の手段を考えようかと思った時に1軒の旅館が部屋を用意できるという。素泊まりで予約を取りようやく一安心となった。1名が一日目だけで帰宅することもあり、茅ケ崎の魚料理の店で中打ち上げを催すこととした。金目鯛、あじ、あおりいかのお造りとビールでまずはお疲れ様の盃を酌み交わした。

強行に路線バスを乗り継いで来たが、一日目で茅ヶ崎までとなり、路線バスの旅は思ったより困難だということを実感した。温泉地での宿泊の希望も残念ながら叶わなかった。口々に旅の疲れや苦労を語って慰労し合ったが、皆の顔は不思議と充実感に満たされた表情をしていた。

22時にお開きとし、予約した旅館に向かう。宿の老婦人による電話での案内を聞きながら着いたのは、超レトロ調な雰囲気の旅館だった。部屋にはなぜか、昭和41年から放送された朝の連続ドラマで「おはなはん」を演じた樫山文枝さんの当時の写真が飾られていた。まさに40年前にタイムスリップしたような空間だ。この企画を敢行しなければ、このような旅館に泊まることは、まず一生なかっただろう。これも良い思い出だ。風呂で一日の汗を流し、この愉快な旅の1日目が終わった。

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