内山悟志の悠々快適エイジレスライフ

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第22回
路線バスだけでどこまで行けるか!やってみた(後編)

桃源台といえば、箱根登山鉄道とケーブルカーを乗り継いだ最終地点であり、路線バスもここでほぼ終点だ。桃源台をゴールと定め、せっかくの箱根を楽しむことにした。前日果たせなかった温泉にも是非立ち寄りたい。11時ちょうどに箱根湯元で途中下車し、日帰り温泉を探すことにする。観光案内所で日帰り湯をやっている温泉宿をいくつか紹介してもらったが、一番近くて綺麗な風呂だということで湯本富士屋ホテルに決める。


あじさい橋の袂に咲く紫陽花

ホテルのフロントに聞くと、日帰り湯は12時からとのこと、小一時間あるので近くを散策した。箱根湯本駅から湯本富士屋ホテルには、赤い欄干が印象的な橋を渡って行くが、この橋の名前はあじさい橋、ちょうど紫陽花の季節で橋のたもとの小路には、綺麗な紫陽花の花が咲いていた。

温泉を1時間たっぷり楽しみ、湯上がりは箱根湯本の料理茶屋「花さがみ」にて蕎麦御膳でビールを堪能する。昼間からビールが飲めるのも、マイカーでなく路線バスの良さだ。
最後の路線バスとなる【伊豆箱根バス】で14:00に箱根湯本を出発し、約一時間かけて桃源台に到着した。あいにくの雨模様ではあったが、小雨の芦ノ湖も長旅のゴールとあって感慨ひとしおだった。



今回の旅のゴール「桃源台」から見た芦ノ湖

これで路線バスの旅を終了、桃源台を終点とし、ケーブルカーで降りて来ようと思ったら、ケーブルカーが運休という結末。しかたなくもう一度路線バスに乗って宮ノ下までおり、そこから箱根登山鉄道に乗り継いで箱根湯本まで下りてくる。あとはロマンスカーでビューンと新宿まで、一日半かけて13本の路線バスを乗り継いで来た道のりを、電車1本1時間40分で帰ることになる。
さて、今回の1泊2日の路線バスの旅だが、全行程の交通費は帰りのロマンスカー特急券を入れて全部で6,936円であった。普通にロマンスカーで往復したとしても、桃源台まで行くと6,820円であるから、たったの116円しか違わないことになる。
もちろん、これ以外に宿泊代(6,500円)、日帰り温泉(1,500円)、食事代などはかかったが、これらはどんな旅行でもかかるものなので同じといえる。ワクワク感と達成感を考えたら、とてもおトクといえるのではないだろうか。
ただし、一人でこの旅をやっても面白くないだろう。一方、あまりに大人数でも動きが取りづらいと思われる。今回は、高校時代の同級生4名という極めて「言いたいことが言い合える友達」であったことが最大の勝因だった(何に勝ったのか分からないが、何かを打ち負かした気分を味わえた)といえる。行先も宿も決めず、ある意味気ままではあるが、ある意味冒険ともいえる。新しい旅の形を見つけた旅でもあった。

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