陸上ではバスのように道路を走り、湖や川では船のように進む水陸両用バスに乗って観光を楽しむツアーが人気だが、今回はこれで荒川ロックゲートを通航した。

まずは、水陸両用バスとはどのようなものなのかを説明しよう。もともとは、軍事用、水難救助車、災害対策車両などの目的で開発された陸上と水上の両方を走行できる乗り物である。これをバスと同様に大勢の乗客を乗せるように改造したものが観光用として利用されている。
8tトラックなどを改造したものが多く、陸上用と水上用の2台のエンジンを搭載しているものと、水陸兼用のエンジンを1台搭載しているものがある。概ね40人程度の定員で、陸上では時速100km前後、水上では5～8ノット(時速10～15)前後で走行する。
国内でも10台以上の水陸両用バスが導入されており、各所で陸上走行と水上走行の両方を一度に体験できるツアーが企画されている。
現在、定期的に運行されている主なツアーとしては、北は日光の湯西川温泉から南は長崎県のハウステンボスまで約10か所がある。

東京では、日の丸自動車興業がスカイダックという名前の水陸両用バスを、東京スカイツリーコースと亀戸コースの2つのコースで定期的に運航している。インターネットで予約できるが、人気が高いため予約が取りにくく、特に週末は3週間先くらいまで空席がないこともある。ただし、少人数であれば当日乗り場に直接行くと、キャンセルなどにより空席がある場合がある。
今回はこれらの定期コースではなく、9月から11月までの期間限定で運航する「荒川ロックゲート体験ツアー」という企画ツアーに参加することとした。

上陸したスカイダック

荒川と旧中川を結ぶ閘門(ロックゲート)を水陸両用バスで通過するのが見どころのツアーで、水面差最大3.1mに及ぶ、水のエレベータとも云われる閘門通過を体験できるツアーだ。
集合場所である亀戸梅屋敷で乗車し、陸路で入水ポイントを目指す。乗り心地は通常のバスと変わらない。
やはり、相当目立つようで、沿道ではスカイダックを見つけて手を振ったり、写真を撮ったりする人も多い。約15分走行し、都営新宿線の東大島駅の近く旧中川沿いの川の駅水彩テラスに到着した。ここからいよいよ川に入っていく。川の駅では、各コース出発地にて空席があった場合、水上運航のみの乗車ができるチケットを販売している(大人1,000円、子供500円)。ただし、予約は受け付けておらず直接水彩テラスで空席があるかどうか確認しなければならない。