大震災特別寄稿

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第6回
フロムナウ取材陣が感じた震災41日後の“福島”〜その2〜

南相馬、福島原発まで20km地点へと向かう

4月24日、震災当日から42日目の朝。天気は快晴。福島市内は、春の穏やかな日差しに包まれていた。昨日、風評被害に苦しむ福島の実態を目の当たりしたフロムナウ取材陣。2日目は、津波による実被害の状況を取材するため、福島県北東部(太平洋岸沿い)の相双地域へ向かう。昨日も感じたことだが、一夜を明かしてみて、福島市内の様子が東京都内と何ら変わらないことを痛感する。宿泊した福島駅近くのビジネスホテルにしても、驚くような賑わいを見せている。フロントに話を聞くと、震災以後、「復興に携わる会社の方が多く、ほぼ満室の状態が続いています」とのこと。原発の事故さえなければ……という地元の声、住民の思いを改めてかみしめるのだった。

相双地域の取材には、風評被害についての話も伺ったサーフィン用ウエットスーツの製造販売をしている、セサミの代表取締役社長 山口昌宏氏、そして福島市内でサーフショップ「INDY SURF」を経営する傍ら、福島の海を中心に活動しているJPSA公認のプロサーファー、佐藤修一氏と、そして同じくJPSA公認プロサーファーの佐藤聡氏に同行いただいた。出発前、山口氏からは「津波被害というと宮城県や岩手県の報道が多いですが、福島県の海岸沿いも想像される以上にひどい状況です。ショックを受けられるかもしれません。その覚悟を持って向かってください」との注意が。そういう山口氏自身も震災直後、海岸沿いを訪れたときに、一変した風景を目の当たりにして、数日間はショックで気落ちしてしまったという。一体、どのような光景が待ち構えているのか。緊張感を持って車に乗り込んだ。

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