松本すみ子の「@シニア」

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第6回
シニア向け大規模イベントが同日開催!

企業主体か、市民主体か

この二つのイベントが相容れなかったのは、なぜだろうかと、私なりに考えてみました。それは、たぶん運営母体の違いだろうと思います。

「S65+」の主体は明らかに三菱総研を中心とした企業。そこに、財団や活動の活発な市民団体が協力するという構図です。一方、「プラチナフェスタ」は逆で、主体は市民団体、そこに行政や自治体、企業が支援を行うという形です。

企業主体の場合は、どうしても出展企業の商品やサービスをアピールすることが主流になります。市民活動ももちろん取り入れてはいるでしょうが、企業目線になりがち。そこにイベントの開催目的があるからです。市民主体の場合は、それこそ老人クラブとか、地域でビジネスを展開している人とか、NPOや市民サークルが展示やセミナーの中心となって展開されます。だから、あまりモノを売るという視点はありません。したがって、相容れないのかもしれません。

だからといって、「プラチナフェスタ」のほうが素晴らしいのだと言っているのではありません。ホームページを見てもわかるように、イベントに関する情報やアピール度は「S65+」が断然充実していますし、工夫もされています。「プラチナフェスタ」はどんなものか、行ってみないと分からないという感じです。それは、市民活動の悲しさで、資金も人手も足りないからです。行政や老人クラブがいくら名を連ねていても、そこから出てくる資金は微々たるものでしょう。

だからこそ、私は、両イベントが一緒に開催できなかったのかと思うのです。市民活動の心意気と当事者の目線と企画。そこに企業が潤沢な資金を持って支援すれば、もっと素晴らしいイベントができるのではないか。きちんと話し合えば、企業が製品やサービスをアピールする場も確保できないことはないはずです。そして、どちらに参加するか迷うことがなくなり、出展者も来場者も増えるはず。両者を仲立ちする人はいないものでしょうか。

*この記事は、イベントが開催される前に執筆しました。イベントレポートは、次回、掲載する予定です。

※エキスポS65+
http://www.super65plus.jp/

プラチナフェスタ
http://www.plt-festa.com/

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