松本すみ子の「@シニア」

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第13回
復興支援観光ツアーに行こう!
~ボランティアは気が重い人のために~

ボランティアをしない復興支援ツアーも

そして三つ目はボランティアをしない支援ツアー。つまり観光主体のツアーです。「そんな脳天気なことでは、被災地の方々がなんと思うか、とんでもない」。これが今までの一般的な考え方でした。しかし、このスタイルのほうが、今後は、より多くの人たちに被災地の状況をじかに見てもらえる有効な手段となるのではないでしょうか。
特に中高年世代は、東日本大震災の話になると「力仕事はできないし、行っても迷惑になるだけ。だからお金を寄付する」という言葉が必ず出てきます。そして「遠くから見ているだけで申し訳ない。行かなくちゃと思うんだけど...」とも。支援に行きたい気持ちは多くの人が持っているのです。でも、労力提供でないとだめだと思いこんでいる節があり、参加できないと決めつけています。
そういう意味では、二つ目のボランティアと見学や買い物を組み合わせた折衷案ツアーは参加しやすいかもしれません。しかし、中には、力仕事でないにしても、ボランティアは気が重いという人もいます。被災者との交流といっても、どんな話をしたらいいのか、どう反応したらいいのか。真面目な人ほど、真剣に考える人ほど、そう思っています。これは実にもったいないことです。そういう人にこそ、現地に行って体験してほしい。
だから、観光をして、地元の美味しいものを食べ、お土産をたくさん買ってくる支援ツアーでもいいのです。観光といっても、行けば当然、被災地の状況を目の当たりにすることになります。無理にボランティアや交流はしなくても、考える機会は否応なしにあり、直に現地にお金を落とせるので、目的は充分果たせるはずです。これだって、1種のボランティアだと思います。

被災地観光ツアーに参加して

三陸鉄道
被災した宮古の市街地

変わらぬ景勝地

私は、4月にその観光支援ツアーに参加してきました。田野畑村で震災語り部さんの話を聞き、開通したばかりの三陸鉄道北リアス線に乗車し、宮古で被災の跡もまだ生々しい海辺の街並みを見てきました。

八戸の市場

一方、八戸の夜の繁華街で地元の美味しい肴とお酒をいただき、お土産も持ち切れないほど買ってきました。考えることは多々ありましたし、被災地の皆さんのたくましさと、折れない心、前に進む努力にも感動しました。
そのレポートは当社のサイト(*)に掲載しましたので、見ていただければ幸いです。
支援はできる人ができる範囲で、無理なく継続することが大事です。支援のやり方も皆で分担しあいましょう。体力勝負のボランティアは若い方々や体力のある方々にお任せします。思い悩んでいるシニア世代は、まず三つ目を選択してください。被災地の方々は、来てもらいたがっているのです。行かないよりは、行った方がいいのです。
観光支援ツアーは、JTBやクラブツーリズムなどの旅行各社が提供しています。インターネットで探せますし、最近は結構人気らしく、新聞広告で募集していることもあります。
忘れていけないのは、帰ったら、それを周りの方々に伝えること。そして、大変な状況だった、悲惨だったと悲劇にするのではなく、被災地の方々がどれだけ頑張っていたか、どれだけ希望を失わずに生きているか、それを伝えることだと思います。

*パラソル喫茶応援バスツアー
http://www.wacnc.net/top-f/201205-touhoku.pdf
*当社のサイト
http://www.arias.co.jp/arisa/2012/001.html

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