松本すみ子の「@シニア」

バックナンバー

第31回
地域デビュー心得12カ条(その2)

9.“きょういく”と“きょうよう”を心掛ける

ここでいう“きょういく”と“きょうよう”は“教育”と“教養”ではありません。“きょういく”は“今日行く所”、“きょうよう”は“今日の用事”のことです。
したいことがなかなか見つからず、知り合いもうまく作れずという人は、つい家に閉じこもりがち。これは足腰が弱まり、脳の回転が悪くなり、うつうつとした気分の原因をつくり出し、健康によくありません。また、家族も迷惑、実は邪魔。とにかく、用事を作って外に出るようにしましょう。家族は心を鬼にして追い出しましょう。
第2条に書いたように、地域では様々な行事やイベントや学びの場を提供しています。映画はシニア割引1000円で見ることができます。町にはシニア割引があふれています。何かにかこつけて、今日行く所と今日の用事を自分から作るのです。そうすれば、必ず何かが自分のアンテナに引っかかってきます。

10.自治会やマンション管理組合の運営に参加する

今までの10カ条をクリアした人には、案外、簡単なことかもしれません。というのは、地域に仲間ができたり、何かの活動を始めた人を周りの人は放っておかないからです。あの人は使えるぞ!と思われたとたんに、いろいろな声がかかるようになります。「今度、こういう活動を自治会で始めるんだけど、一緒にどう?」「人手不足なんで手伝ってもらえないかな」「マンションの理事にならない?」などなど。
実は地域では人材不足。積極的に動いてくれる人を求めています。まして、リーダーシップを取れる人なら大歓迎。現役時代のスキルや経験を生かせる場はたくさんあるのです。チャンスです! 「面倒だ、女房に任せよう」なんて言っている場合ではありません。

11.IT活用能力を高める

私たちはある意味で素晴らしい時代に生きています。それはインターネット、メール、Skype、ブログ、Twitter、Facebook、YouTube、電子書籍、スマートフォン(スマホ)といった、次々と生まれるコミュニケーション手段です。前の世代の方々には想像もつかなかったようなことが、私たちにはできるのです。
これからは病気になっても寂しくないかもしれません。病院に居ながらにして、Facebookを通じて多くの友人とお話しすることができます。本を読みたくなったら、タブレット端末を使って電子書籍サイトから自由に買うことができます。自分の趣味や意見を発表したかったら、ブログに掲載しましょう。遠方にいる会ったことのない人から反応がくるかもしれません。
こうしたことが、いともたやすくできるようになったのです。これを使わない手はありません。賢く使って、世界を広げ、自分を深めましょう。

12.自分に合わないと思ったら止める

いろいろと書いてきましたが、もっとも大事なことは、誰のために地域デビューするかということです。もちろん、自分のためです。だから、どうしても嫌だと思ったことはしなくていいのです。仕事の場では、全体が大事なので、個人の意見はあまり尊重されません。だから、やらねばならぬという責任感で、嫌な仕事もしなくてはならない。しかし、もう組織の一員ではないのです。自由な一般市民です。
また、「あの人に誘われたので断れない」「一度始めたことは簡単には止められない」などと思うこともありません。聖人君子ではないのですから、どうしても合わない人もいます。好きになれないこともあります。それはそれでいいのです。自分を生かしてこそ、地域活動も生きてきます。気まぐれではなく、よく考えて、これは違うなと思ったら潔く止めて、次を探しましょう。活動はたくさんあります。

コメント