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第11回
植物性タンパク質の良さ

前回は、肉や魚に含まれる「動物性タンパク質」ついてお話しましたが、今回は豆類などに多く含まれる「植物性タンパク質」についてです。

植物性タンパク質は、米、野菜、果物などの植物にも含まれていますが、先述の通り、豆類や豆腐、ピーナッツバターなどの豆加工品に多く含まれています。
豆類には色々な種類があり、大豆、金時豆、大福豆、インゲン豆、そら豆など、色も大きさもさまざま。豆類イコールタンパク質と考えている方が多いようですが、豆の種類によって栄養価は異なります。
特に、大豆と他の豆類には栄養価に大きな差があり、大豆がタンパク質約35%、炭水化物約28%、脂質約19%なのに対し、その他の豆類はタンパク質約20%、炭水化物約60%、脂質約10%です。つまり、大豆はタンパク質が豊富な代わりに脂質も多く、逆にその他の豆類はタンパク質も脂質も大豆より少ないのです。

植物性タンパク質も動物性タンパク質と同様、体内でアミノ酸となり、臓器、神経伝達物質、筋肉の元などになりますが、植物細胞壁や繊維質などによって酵素などへの抵抗があるため、動物性タンパク質より体内での利用率はやや低くなります。
ただし、豆類には食物繊維が豊富に含まれているのが特長で、特に大豆には、日本人に不足しがちなカルシウムや鉄、また大豆イソフラボンが含まれています。大豆イソフラボンには、更年期障害の軽減、骨粗しょう症や乳がんの予防、また血中コレステロールを低下させることにより、動脈硬化や心臓病を予防する効果もあります。更に、大豆タンパク質を構成する成分の一つであるβコングリシニンには、中性脂肪を減少させる効果があることもわかっています。

人によって意見はさまざまですが、前回と今回のコラムを総合的に考えると、動物性タンパク質も植物性タンパク質もそれぞれ異なる大事な栄養素を含んでいますから、どちらかに偏ることなくバランスよく摂取することが大切だと私は思います。

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