今だからこそ考えよう~自分に合った食事と運動のいい関係

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第23回
野菜って調理方法によって栄養価が変わるんです〈その2〉

いためる

今回は、油をひいた鍋で食材を混ぜながら加熱する調理方法を「いためる」と定義してお話しします。
油と一緒にいためると、鍋と油の両方から食材に熱が伝わるので、揚げ物と同じように食材の表面で水と油の交代現象が起き、食材は油の膜で覆われます。

いためるという調理法は、焼くという調理法に比べて油を多く使う分カロリーが高くなりがちですが、油を一緒に摂取することで脂溶性のビタミンA,D,E,Kやβカロテンの吸収率が高まるというメリットがあります。
いため物も焼き物と同じように、熱で細胞が破壊され、焼き色がつくと抗酸化物質(メラノイジン)が作られます。手早くさっといためると、細胞があまり破壊されないため、細胞内の成分が外に出にくくなり、腸内での栄養成分の吸収が煮物のようにやわらかく仕上げた物に比べて若干劣る可能性があります。

逆に長く炒めた場合は、細胞が破壊されて栄養成分の吸収が良くなるのですが、食材から水分が流れ出るため、ビタミン類(ビタミンB群、C)やアミノ酸などが一緒に流れ出てしまい、水溶性のビタミンも一部失われます。

水溶性のビタミンが失われないようにするためには、小麦粉、片栗粉、くず粉などのでんぷんでとろみをつけたり、春雨など水分を吸う食材を加えて吸収させたりすれば、栄養素の損失が抑えられて体内に取り込めます。なお、春雨を使う場合は水で戻さす、乾燥したまま加えることがポイントです。

このように「ゆでる」「煮る」「蒸す」「焼く」「いためる」など調理の仕方を変えるだけで、栄養価は変わります。

トレーニングも同じです。イスから立つという行為を例に挙げてみましょう。
まず、何も考えずにイスから立ち上がってみてください。
今度は、イスに浅く腰をかけ、背筋を伸ばして上半身を出来るだけ前に倒さないようにして天井から頭を紐で引っ張られている状態をイメージしながらゆっくり立ってみてください。
どうですか?同じイスから立つという行為でも、筋肉への負荷のかかり方が全然違うのがわかってもらえると思います。
イスから立つということは、一日の生活の中で多くの方が何度もする行為ですね。
せっかくですから、イスから立つときは背筋を伸ばした状態で立つことを心がけてみてはいかがでしょうか?続けていれば、体の変化を感じられるようになると思いますよ。

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