今だからこそ考えよう~自分に合った食事と運動のいい関係

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第25回
やせるための食べ合わせ〈その1〉

炭水化物を抜くダイエットが効果的だとして注目されているように、最近は「炭水化物」イコール「太る」というイメージが強くなっていますよね。しかし、栄養素の中で最も速やかにエネルギーに変換されるのは、炭水化物です。炭水化物を摂取しないと、脳内の栄養が足りなくなり、頭が回らなくなったり、疲労感にかられてしまったりと、活動的に行動できなくなり、逆効果を生む可能性もあります。
確かに炭水化物の過剰摂取は太る原因になりますが、適度に摂取することは健康維持にもダイエットにも欠かせないことを忘れてはいけません。
そこで今回は、炭水化物をエネルギーに効率よく変える食べ合わせのコツについてお話したいと思います。ちょっとした工夫をすれば、炭水化物は体内に脂肪として蓄積されにくくなるのです。

炭水化物をエネルギーに変えるためには、補酵素としてビタミンB1が必要不可欠です。ビタミンB1が不足すれば、エネルギーをうまく作り出せなくなり、炭水化物を速やかにエネルギーに変えられなくなってしまいます。
ビタミンB1を多く含む食材として、豚肉、ハム、豚肉加工品、レバー、うなぎなどがありますが、ビタミンB1は水溶性で体内に蓄えておくことができず、数時間以内に使われなかった場合は尿と共に排出されてしまいます。
ところが、ビタミンB1をにんにくと一緒に摂取すると、にんにくのにおい成分「アリシン」と結合して「アリチアミン」という脂溶性の物質に変わるため、体内への吸収が促され、摂取後も体内に蓄えられやすくなります。また、炭水化物を速やかにエネルギーに変える効果が長くなり、エネルギー代謝を促すので、太りにくくなります。
にんにくのほかにも、長ネギ、タマネギ、ニラ、ラッキョウにも同じような効果が期待できるので、これらの食材と炭水化物を食べ合わせるのも良いでしょう。

ただし、にんにくは、生で摂取するときに注意が必要です。にんにくに含まれるアリシンが胃の粘膜を強く刺激するため、胃痛や胃腸炎の原因になることもありますし、食べ続けると赤血球のヘモグロビンが破壊されて貧血になったり、口内炎、口角炎、皮膚炎を起こしたりすることもあります。生のにんにくは、大人なら1日1かけが目安で、加熱すれば多めに摂取しても問題ありません。

さて、食べたら運動も忘れてはなりませんね。いくらにんにくがエネルギー代謝を良くしてくれるからといって、それに甘んじて体を動かさなければ、結局太ってしまいます。代謝を上げるために、暮らしの中に筋力トレーニングを取り入れてみませんか?
筋力トレーニングは、ジムに行ってしっかり鍛えなくても、普段の生活の中でできます。
床に寝転び、股を広げ、片足を20センチほど浮かせます。このとき、上げた足の反対側の骨盤が浮かないようにしましょう。ひざを曲げないようにしっかり足を伸ばし、15秒ほど静止してください。お腹に効いているのが感じられるはずです。「ぽっこりお腹」が気になる人は、夏に向けて始めてみてください。

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