旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

バックナンバー

第18回
風邪予防に!「里芋」とネギの和風肉炒め

里芋は皮をむくとネバネバとしていますが、これはガラクタンとムチンという成分によるものです。特にガラクタンという成分が、風邪やインフルエンザなどのウィルスを撃退し、喉や鼻、皮膚の粘膜も強くして免疫力がUPするので、今が旬の美味しい時期に、いただいておきましょう。



■「里芋」の歴史

里芋の原産地はインド東部からインドシナ半島という説が有力です。紀元前3000年頃にはインドで栽培が始まっていたと考えられています。その後、フィリピンやオーストラリアに広がり、1世紀頃にはヨーロッパへ伝わりましたが、当時のヨーロッパでは食されることはありませんでした。日本には紀元前に中国から伝わり、稲作が始まる前(弥生時代)までは里芋が主食として食べられていたようです。当時は「芋」と言えば里芋のことを指しており、和食や郷土料理にも数多くのレシピが残されています。「筑前煮」、「けんちん汁」、「雑煮」、「芋の煮っ転がし」などは里芋の代表料理となります。

■「里芋」の特徴

一般に食べられている里芋は、別名「小芋」とも呼ばれ、親芋の周りに、根続きで育つ小芋に当たります。親芋種はお正月に食べられる「八つ頭」や「セレベス」、京都の「えび芋」などがあり、大きさは中型のサツマイモほどあります。調理すると味わいや食感に多少の違いはありますが、風味や栄養価は、ほぼ同じです。親芋も小芋も茶色い皮で、縞模様があり、ひげがついています。茶色い皮をむくと、可食部が白く、ぬめりがあります。調理の時、素手で触ると痒くなる場合は、塩水か酢水で洗うと、個人差はありますが、手についたぬめりが分解され、痒みがおさまります。

■「里芋」の栄養など

里芋のネバネバ成分は「ガラクタン」と「ムチン」から成ります。ガラクタンには風邪やインフルエンザといった細菌が体内に入るのを防ぐ働きがあり、里芋を食べておくと、細菌に対する免疫力がUPするそうです。またガラクタンには脳細胞を活性化させる効果が期待でき、仕事や勉強の集中力UPや認知症の予防になるとも言われています。そして、コレステロールの数値の正常化にも期待でき、動脈硬化予防にもいいでしょう。もう一つのネバネバ成分、ムチンには、皮膚の真皮層にあるヒアルロン酸量を増やす働きが期待できます。寒さによる肌の乾燥で、痒みや小じわが出てくるのを防ぎます。またムチンには、胃や腸の粘膜を健康に保つ効果があり、ストレスで胃がキリキリする方や、食欲のない方は、里芋料理を食べて、胃腸を丈夫にしておきましょう。



コメント