旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第35回
トロリとした食感で心身ともに温まる「冬瓜」のあんかけ

11月後半は、真冬並みに気温が下がる日もあるので、食事の時に、体の中からポカポカするおかずがあるとホッとしますよね。冬瓜を生姜とお出汁で煮込み、あんかけにすると冷めにくく、体の芯から温まる一品となるでしょう。


■冬瓜の歴史

冬瓜の原産国はインドや熱帯アジアと伝わっており、ウリ科トウガン属の植物です。3世紀頃に原産国から中国大陸に伝来されたと考えられており、日本には中国から奈良時代に伝わっているようです。奈良時代の書物『正倉院文書』に冬瓜の記述があり、古くから冬の貴重な食材として食べられていました。冬瓜は、収穫の旬としては夏ですが、収穫してそのまま切らずに保管すると冬まで日持ちしたため、「冬に食べる瓜」として「冬瓜」と呼ばれるようになりました(諸説あり)。中国では薬膳料理の食材として冬瓜が用いられており、病の回復食をはじめ、利尿作用、嚥下作用、炎症などの鎮静作用がある野菜と伝わっています。

■冬瓜の特徴

冬瓜は大きいもので10kgに及ぶほど巨大になりますが、一般のスーパーで出回るのは、小ぶりで2kg程度、やや大き目で3~4kgサイズです。冬瓜はかなり固く分厚い皮で覆われ、深い緑色をしていますが、中の果肉は白く水分が多いのが特徴です。他のウリ科の植物と違い、冬瓜の皮は食用には向いていないので、調理の際は切り落として使用します。果肉は千切りにすると生でも食べられ、シャキシャキとした食感ですが、加熱調理すると一変して透明感が出て、トロリとした食感になります。繊維質が多いので、煮崩れも起きにくいでしょう。煮物や中華スープの具など煮込み料理に適していますが、日本では古くから漬物としても食されています。

■冬瓜の栄養など

栄養成分としてはカリウムが豊富で、ビタミンCがわずかに含まれます。90%以上が水分なので利尿作用が期待できるでしょう。カリウムは体内に溜まった塩分(ナトリウム)を体外に排出する作用があるので、高血圧を予防したり血行を良くする効果が期待できます。寒い時期に起こりやすい冷え性や、体の硬直は血行の悪さも一因なので、改善食としていいでしょう。食物繊維も豊富なので、整腸作用も促すでしょう。冬瓜は単品だと栄養が偏るので、肉類や魚介類と煮込んだり、他の副菜で緑黄色野菜なども一緒にいただきましょう。



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