旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第37回
茎の部分が長い「スティックブロッコリー」の中華炒め

一般のブロッコリーは人気が高く通年出回っていますが、旬は晩秋から初春にかけて。旬の時期は紫ブロッコリーや、茎の長い品種も出回ります。今回は茎まで美味しく食せる「スティックブロッコリー」をレシピと共にご紹介します。

■スティックブロッコリーの歴史

ブロッコリー自体の起源はキャベツや白菜など、他のアブラナ科の植物同様、野生のケールが原型と伝わっています。原産地もキャベツと同じく地中海沿岸(諸説あり)です。キャベツの原種の交雑が繰り返されたことにより、ブロッコリーへと発達したと考えられており、古代ローマ時代には既に栽培が始まっていたようです。スティックブロッコリーは、ブロッコリーとキャベツの仲間「カイラン」という植物の交配による品種改良で生まれた品種。欧米では「スティックセニョール」という名でも親しまれています。

■スティックブロッコリーの特徴

アブラナ科アブラナ属の野菜で、花蕾部分は通常のブロッコリー特有のモコモコとした見た目を持ち、茎の部分はアスパラガスのような形態になっています。通常のブロッコリーは茎の部分を捨ててしまいますが、スティックブロッコリーは茎の部分まで違和感なく食せるのも特徴です。炒め物や、長さを活かして薄切り肉で巻いた焼き物や蒸し物などの料理で親しまれています。

■スティックブロッコリーの栄養など

栄養価は通常のブロッコリーとほぼ同じで、β-カロテンを多く含み、緑黄色野菜に分類されます。ブロッコリーから発見されたガン予防成分「スルフォラファン」も含まれており、風邪予防、ウイルス予防、アンチエイジングなどが期待できます。貧血や妊婦さんの栄養補給に大切な葉酸やビタミンKも含まれます。ビタミンKは骨からカルシウムが溶出するのを防ぐ働きもあるので、骨や歯、爪を健康に保つでしょう。またビタミンCも多く含み、茹でた状態でも100g中54mg含まれます。生では食べにくい野菜なので、蒸し野菜や炒め物などで摂取するようにしましょう。



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