名医に聞く

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第10回
〈外反母趾〉 一番の原因は、合わない靴。靴を変えても改善しない場合は手術も。

治療の基本は靴とインソールの工夫

治療の基本は、足をいじるのではなく、症状に合わせて靴を変える。

「外反母趾で痛む個所は、大きく分けて2個所あります。
一番は親指の付け根の内側です。ここが痛む場合には、親指の付け根が当たらない靴に変えてもらいます。
外反母趾がひどくなると、今度は、親指以外の指の付け根が痛くなります。これは開張足(かいちょうそく)といって、親指と小指で体重を受ける横アーチという構造が破綻して、他の指にも相当体重がかかるようになる状態です。そうなると、それらの指はもともとあまり体重をかける様な構造をしていませんから、細いタイヤで重い自動車をのっけているようなもので、第2指の付け根が痛くなるのです。こうなるともういくら親指の付け根が当たらない靴に変えても、よくなりませんからね。今度は靴の中敷き(インソール)を工夫して、痛む部分に対する荷重を減らします。横アーチをサポートしてあげることで痛みを和らげるインソール治療です」(同)

痛む部分に対する荷重を和らげるという意味では、減量をお勧めすることもあります」

ただし、靴だろうとインソールだろうと、曲がった指を伸ばすことはできない。これは装具も一緒だ。

「バネでひっぱたり、ゴムでひっぱたり、いろいろな装具がありますが、装着している間は伸びたとしても、外したらもとに戻ります。一カ月間装具を付けて、その後1週間ぐらいは1度から4度ぐらいはよくなるかもしれませんが、ずっとつけていない限り矯正では治りません。変形が病気の主体の場合には、変形を正す手術しかありません」(同)

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