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第2回
〈前立腺肥大症〉治療法はさまざま。病院選びは、術後の経過までしっかり調べて。

排尿障害を起こす最もポピュラーな病気

前立腺は男性のみに存在し、膀胱の出口に尿道を取り巻くようにして位置している臓器。その主たる役割は、精子の運動を助ける前立腺液の分泌だ。前立腺肥大症は、その前立腺が肥大する病気で50歳代の男性の約40~50%、80歳以上の男性では80%以上が罹っているといわれている。

症状としては、肥大した前立腺が尿道を圧迫し、狭くするために、尿が出にくくなり、さらに進行すると尿閉症(尿がほとんど出なくなる状態)になってしまう。排尿障害の原因として、最もポピュラーな病気ではあるが、実のところ、原因はまだよく判っていない。

「前立腺は性行為と関係のある臓器なので、性行為の多寡や性ホルモンと関係があるのではないかといわれていますが、本当の純粋な原因は判っていません」と黒田俊医師は語る。

「疫学的に、欧米人のほうが東洋人よりも多いのですが、それは遺伝的な問題ではなく、コレステロールの摂取量など食事に関係するのではないかと見られています。また、高齢者が罹る病気と思われていますし、我々も100歳の方の手術まで行っています。しかし、最近は、私の印象として50歳代の患者さんが増えてきているように感じます。以前は、50歳代の方を手術するなんて考えられませんでしたが、この頃は年に5人はしますね」(同)

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