名医に聞く

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第22回
「スカートがはけない!」悩む人には女性が多いが、男性も発症

どうせ受けるなら、波長の長いレーザーの手術を選びたい!と望むのが素直な感想だが、現在日本で保険適用されているのが980nmのレーザーだけ。それより高機能のレーザーによる手術は、残念ながら自費診療だ。
しかも、980nmレーザーさえも、2011年にようやく適用になったばかりだ。

「保険認可を受けるためには、膨大な費用がかかるだけでなく、相当の時間を要するため、今後の保険適用のめどは立っていません。当院では、保険適用の手術も、最新のレーザーによる自費診療も、両方受けていただけます。
時間に余裕があり、通院が多くても大丈夫という人は、保険診療を選ぶ場合も結構あります」(同)

下肢静脈瘤の治療では、レーザーのほか、静脈瘤を起こしている血管に薬(硬化剤)を注射して血管自体を固める硬化療法も人気だ。

固まった血管は、次第に委縮して消えてゆくし、手術のように傷を残すことがない、また体への負担が少ないこともメリットだ。
しかし、大きな静脈瘤にはあまり有効ではなく、再発する可能性が大きいといったデメリットもある。さらに注射をした場所にしこりや痛み、色素沈着が起こる可能性も多い。

治療法にはそれぞれメリットとデメリットがある。
治療費等も念頭に、いい情報もネガティブな情報も、正直にわかりやすく伝えてくれる、熟練した医師を選びたい。

名医のプロフィール

下肢静脈瘤の名医

阿保義久(あぼよしひさ)

北青山Dクリニック院長
1993年東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院第一外科、虎ノ門病院麻酔科、三楽病院外科、東京大学医学部腫瘍外科・血管外科を経て2000年北青山Dクリニック開設。
2010年より東京大学医学部腫瘍外科・血管外科非常勤講師。
所属学会:
日本外科学会、日本血管外科学会、日本消化器外科学会、日本脈管学会、日本大腸肛門外科学会、日本抗加齢学会
おもな著書:
『がん細胞を正常細胞に戻すCDC6shRNA治療 』(アイシーアイ出版/星雲社・2011年)
『アンチエイジング革命』(講談社・2008年)
『脚と血管のアンチエイジング』(本の泉社・2006)

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