人生を謳歌する糖尿病生活のススメ

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第3回
一病息災!山登りでハツラツと生きる70代糖尿病患者Uさんの場合

牧田医師にQ!スポーツと糖尿病の関係

Q:スポーツをするのは糖尿病にいいみたいですね。どのような効果があるのでしょうか?

牧田医師:第一に、血糖値を下げる効果があります。
スポーツをすると、筋肉はエネルギーを消費します。すると、エネルギーを補給するために、筋肉は血液中のブドウ糖をどんどん取り込み始めます。血糖値が下がるのはそのためです。
第二には、すい臓の疲労度を抑える効果ですね。
スポーツによって筋肉や脂肪組織の対インスリン反応が向上するために、インスリンの分泌が少なくても済むようになるんですよ。
このほかにも、中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やし、動脈硬化を予防する効果や、心肺機能を高めて合併症を防ぎ、肥満を解消してインスリンの効き目を高める効果もあります。

Q:いいことずくめなんですね。でもスポーツにもいろいろありますよね。糖尿病患者に特におススメのスポーツってありますか?

牧田医師:もちろん、筋肉を使う以上、あらゆるスポーツに血糖値を下げる効果はあります。
ただ、種目ごとにやはり効果は違います。
私のおススメは有酸素運動、特にウォーキングがいいと思います。
有酸素運動とは、十分に長い時間をかけて心肺機能を刺激し、身体の内部に有益な効果をもたらす運動です。有酸素運動をすると体内の糖質や脂肪が酸素とともに消費されます。なかでもウォーキングの効果は絶大なんですよ。

Q:流行のランニングよりも、ウォーキングの方がおススメなんですか?

牧田医師:ランニングもいいですが、それまでスポーツをしてこなかった人だと、長い時間走れるようになるまで結構時間と努力を必要としますね。
それにランニングは、運動中に血圧の上昇がおこります。なので、安静時血圧が140/90mmHg以上の人は注意が必要です。糖尿病患者の場合は、狭心症や脳卒中の危険性が高まります。
やはり最初はウォーキングなどの負荷の低い運動で徐々に体を慣れさせることをおススメしたいですね。
ただし、歩き方は犬の散歩程度では効果がありません。
歩いている他の人を追い抜いていくぐらいのスピードは必要です。
とはいえ、どんなスポーツでも運動でも、始める前にはどうか主治医に相談してください。患者さんによっては、運動をおススメできない場合もありますし、安全に行っていただくためのアドバイスもありますから。

Q:Uさんの山登りは、かなりハードな運動だと思うんですが。

牧田医師:そうですね。Uさんの場合は、里山歩きから徐々に慣らしていってもらいました。山登りは、太ももの太い筋肉を使うので、血糖値を下げる効果は高いです。
それとUさんもおっしゃっていますが、楽しんで続けられる趣味を持つことは、運動療法の意味以外にも効果があります。
男性の場合、リタイアすると社会とのつながりがなくなって「ぬれ落ち葉」になるケースも少なくありません。
Uさんのように趣味を持って、積極的に取り組むことは大切です。それが健康維持にも結び付くなら理想的ですよね。

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