人生を謳歌する糖尿病生活のススメ

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第4回
「食べ順ダイエット」で妊婦糖尿病からV字回復したRさんの場合

Q:母親が糖尿病だと、生まれてくる赤ちゃんはどうなるんですか?

牧田医師:ちゃんと血糖コントロールをすれば大丈夫ですが、もしも妊娠中の血糖コントロールが不良の場合は、巨大児あるいは低出生体重児として産まれる可能性が高くなります。また出生後は妊娠中の高インスリン血症の結果として赤ちゃんが低血糖、特発性呼吸促迫症候群、多血症となりやすいので十分な経過観察が必要です。
発育不全や成長してから肥満する可能性も高くなります。
さらに、妊娠以前から糖尿病になっていた場合には、「妊娠糖尿病」ではなく「糖尿病合併妊娠」といって、赤ちゃんに及ぼす危険性は一層高まります。たとえば血糖のコントロールが不良のまま妊娠した場合には、奇形を伴う確率が上がります。

Q:妊婦はどうなりますか?

牧田医師:目の合併症である糖尿病網膜症や、腎臓の合併症である糖尿病腎症の悪化も心配されます。加えて、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)にもかかりやすくなります。

Q:うわっ!怖いですね。どうしたらいいんでしょう?

牧田医師:第一に、妊娠を考えている女性は、事前に糖尿病の有無をチェックしましょう。もしも、知らないうちに糖尿病にかかっていたことが判明しても大丈夫。
妊娠前からしっかりと血糖値をコントロールすれば、出産に支障はありません。
万が一、妊娠後に糖尿病であることが分かった場合には、母体および胎児への副作用が少ないインスリン投与を行って、血糖値をコントロールします。

Q:糖尿病というと、若い人は特に、中高年の病気のような気がしていると思いますが、20代でも油断しちゃいけないんですね。

牧田医師:ええ、若い女性こそ、糖尿病検査をしっかりと受けて欲しいと思います。

Q:ところで「食べ順ダイエット」は、どうして効くんですか?

牧田医師:高すぎると肥満につながる血糖値(血液中の糖分)の上昇を、緩やかにする食べ方だからです。野菜には食物繊維が豊富なので、後から入ってくるごはんなどの糖質の吸収を抑え、血糖値を上がりにくくするのです。
それと、胃に食物が入ると、脳の満腹神経が刺激されて、飢餓感が和らぎます。ごはんから食べるとつい食べすぎてしまいますが、最後に回せば自然にごはん(=糖質)の食べすぎを抑えられ、ダイエットになるからです。

Q:妊娠糖尿病以外の人のダイエットにも良さそうですね。

牧田医師:はい、お勧めしますよ。(笑)

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