人生を謳歌する糖尿病生活のススメ

バックナンバー

第7回
セカンドオピニオンで糖尿病腎症を発見、正常に戻ったYさんの場合

牧田医師にQ!糖尿病腎症の発見と治療

Q:Yさんは、「血糖値もヘモグロビンAc1値もコントロールできているのに合併症になるなんて」と、ショックを受けていましたね。
こういう患者さんは多いのでしょう?

牧田医師:「血糖値を下げれば合併症の心配はない」と誤解している患者さんはものすごく多いですよ。
でも実際は、たとえ血糖コントロールがよくても、発病から20年後には糖尿病網膜症は13%の人が、糖尿病腎症は53%もの人がなっています。

Q:血糖コントロールはムダですか?

牧田医師:いえいえ、血糖コントロール不良群の場合、20年後には75%が糖尿病腎症になっているというデータがあります。ムダではないですよ。
ただ、合併症を防ぐには、血糖コントロールだけでは不十分だということです。
適切な合併症治療が必要なんですよ。

Q:それと検査も必要ですよね。
Yさんが受けた尿中アルブミン検査とは、どういう検査なんですか?

牧田医師:糖尿病腎症の早期診断に有効な検査です。
早期診断には、血液検査ではなく特殊な尿アルブミンという検査をする必要があります。
糖尿病の患者さんは、3~6ヶ月に一回は、尿中微量アルブミンの検査をすることが望ましいのです。

Q:Yさんの腎症も早期だったんですね。

牧田医師:そうですね、早期でした。

Q:テルミサルタとはどういう薬ですか?

牧田医師:糖尿病腎症の特効薬です。高血圧症にもよく処方される薬ですけどね。
以前は尿アルブミンが増えても治す手段はありませんでしたが、この藥のお陰で治せるようになりました。
多くの方の尿アルブミンが正常化し、糖尿病腎症が治ったというデータが出ています。
私のクリニックでは、軽度の腎症患者のうち50%以上の方が正常化しました。海外のデータより日本人のほう効果があったことに、感心しています。

コメント