文化とアートのある暮らし

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第12回
「オルゴールの持つちから」

かつては私も陶器でできたごく普通の回転式のオルゴールを3台くらいもっていましたが、改めてサロンでオルゴールを拝見し、そのあたたかな音色に癒やされ、大人になったからこそ感じるせつなさや深い安心感に気づかされました。

オルゴールって一体いつ頃からあるのでしょう。
世界で最初に発明した方は、スイスのアントワーヌ・ファブールという時計職人でした。
ファーブル氏の製作した世界最古のオルゴールは、その後ハト時計の発明にも繋がっていて、音楽ではなく鳥の声を収めたものがあります。

なんて美しい鳥の声!本物のように鳥らしい声で、からくりが非常に不思議です。約260年前の製作だとか。フランスのマリー・アントワネットの為に製作されたもののようですが、時代を超えて今、西陣でこの響きを聞かせていただいています。


100年以上も前に発明されたオルゴールですが、「音を記憶する」という当時にとっては不可能な願いが当時の人々の思いの強さと憧れで叶ったことを想像すると、私にも願いを強く抱いて前を歩く勇気をくれる気がします。ちっとも変わらない音の深い記憶に耳をすました時間でした。

オルゴール・サロン・ヒロ
京都市上京区大宮通寺之内上ル西入ル3丁目歓喜町252 TEL075(441)0964

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