文化とアートのある暮らし

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第13回
「夏の終わりに」~イルフ童画館にて~

お盆も過ぎ、なんとなく涼しい風を感じるようになりました。
サザエさん症候群のような寂しさが、お盆が過ぎた途端にやってきたのは私だけでしょうか。まだまだ元気なセミ達の声には元気をもらいます。

今回のコラムは告知になってしまうのですが、夏の終わりの8月29日に、「秋の夜に」で共演した女優の村井美樹さんと再びご一緒させていただく運びとなりました。「秋の夜に」が2013年だったことを思うと、早くも2年経っています。

題して
「夏の終わりに」

という、季節そのままをタイトルにして長野県岡谷市のイルフ童画館で行います。
イルフ童画館といえば、武井武雄氏の童画やモーリス・センダック氏の原画を収集・展示しているところで、武井武雄さんは「童画」の礎を築いた方です。

かつて、児童のための絵本は、美大出身の画家志望の方がアルバイト的に携わっていたようで、武井武雄さんはその状況をみて、片手間のアルバイトではなく児童のことを考えて本気で絵を描いていかないと子どもたちに伝わらない、と思ったことがきっかけで、児童のための絵本を本気で創作されたようです。「童画」という言葉、初めて耳にした方がいるかもしれないですが「コドモノクニ」(1922年1月に創刊し、44年3月に終刊)という絵雑誌を通じて「童画」が日本全国に広がっていきました。「コドモノクニ」は、創刊から終刊まで23巻287冊を数えた、日本を代表する絵雑誌になりました。
いま、書店や図書館に絵本や児童書が充実しているのも武井武雄さんのご功績によるのかもしれません。そんな武井武雄さんのご生誕の地が長野県岡谷市にあり、イルフ童画館には武井武雄さんの生涯にわたる作品が展示されています。



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