文化とアートのある暮らし

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第24回
浜松にて世界の楽器をみてきました Vol.2

鍵盤楽器で、現在最もポピュラーなものは「ピアノ」です。
そのピアノの先祖は、ずばりチェンバロでピアノは弦楽器に分類されます。
ピアノは遅くとも1700年頃にはあったと言われており、1700年に編纂されたメディチ家の所蔵楽器目録の中にも触れられております。そこには、クリストーフォリというイタリア人の職人の名前と、オルガンやクラヴィコードではない、チェンバロが元になった新種の楽器がその職人によって発明されたことが記録されていました。また、その目録に記録されているクリストーフォリはメディチ家に仕える人間でした。
クリストーフォリはメディチ家に仕えることで生活が完全に保証され、豊かな創意工夫の才能を存分に発揮できる環境で楽器を作ったようです。
新種の楽器は後年に強弱のつけられるチェンバロ=「ピアノ」として完成していきます。

一心同体のピアノ一心同体のピアノ

鍵盤楽器の中では最も古いパイプオルガンや、ルネサンス・バロック期に最もポピュラーな楽器となったクラヴィコードやチェンバロなど、鍵盤で音を奏するものはすでに古くからありました。クリストーフォリによる新種の楽器=「ピアノ」は、後年にヨーロッパを越えて日本はもちろん、世界で最もポピュラーになっていきます。ピアノは現在の形に至るまで、音楽家や時代のニーズに合わせていろんな形で作られてきました。

足ペダルも模索されて現在の形(3本)になったのですね。最も原始的な姿を見ることができました。ちなみに鍵盤数も現在のピアノ(88鍵)より少ないです。



こちらの写真は純正調オルガンこちらの写真は純正調オルガン


木のぬくもりが感じられる木目のものや、アンティーク家具とも馴染みの良いデザインや装飾のあるものが多く展示されていました。
また、さらに現代に近づくと電気を使った楽器、電子ピアノやシンセサイザーが登場しますが、こちらもまた大きな空間にたくさん展示されていました。
シンセサイザーは、主に1970年~90年代に変化が激しく、その変化を順に見ることができるようになっています。

時代と共に大きく発展していき、音楽作りに欠かせないものになった鍵盤楽器の歴史を見ることができると同時に、弦楽器、笛などでは国によって形や響き、保管方法が全く違うものがたくさん展示され、バリエーションを感じることができます。
人の手によって奏でられ楽器が響きを空間に放つ、人と楽器の関係はとても興味深く、神秘とさえいえるでしょう。

コラムの中で二度に渡って博物館についてご紹介しましたが、本当に多くの楽器が世界から集められ所蔵されているため、とても書ききれません。
ヨーロッパはもちろん、パプアニューギニアやアフリカ、中国など、世界中のまだまだ未知の歴史を持つ楽器がたくさん展示された博物館、是非一度は足を運んでみていただきたいです。
帰りは静岡駅前にあるAOI館に少しだけ立ち寄り、帰りました。

楽しい静岡の弾丸旅でした。

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