小岩井 大輔流 富士山と出会う

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第1回
清八山からの富士山を撮る。

マミヤ645PRO・三脚使用 150mm F16 +1.0補正

はじめまして、小岩井です。富士山は美しい山容から日本の象徴として国内外の人々から愛される日本最高峰の山(3776m)。近年は富士山ブームと称され夏の2ヵ月間は日本一の頂を目指し沢山の登山者で賑わいを見せています。

私が富士山と出会ったのは20歳の時です。自然や山などまったく興味がありませんでしたが、精進湖からの富士山の夜明けを見て体全身に衝撃が走り「こんな世界見たことない。」一瞬にして富士の虜になり、カメラを購入し毎週末富士山の麓に通い続けました。そんな中、2000年1月人生の転機が訪れました。勤務していた会社が倒産してしまったのです。どん底に陥り自問自答を繰り返す日々を過ごす中で、美しい富士の形状にとらわれず、富士山を全身で感じたいと思ったのです。そこで、富士山頂上にある山小屋で勤務しながら撮影活動をはじめました。そんな生活も今夏で12年目を迎えようとしています。自然との出会いは一期一会、誰にでも平等に美しい光景を見せてくれます。時には荒れ狂ったような富士に圧倒され謙虚になることもあります。富士山は私にとって人生の師であり、生きがいです。これから連載がはじまりますが、皆様にも様々な表情をする富士山に出会って頂き、ご自分の富士を見つけていただきたいと思います。

今回の作品は山梨県大月市にある清八山からの富士山。3月、春の訪れを感じはじめ、冬型の気圧配置も緩み富士山が霞みやすいシーズンになる。天気予報を確認して撮影に出掛ける。前日、降った雪が融けずに残り、高気圧に覆われ好天に恵まれた。3月とはいえ山の気温は零下だ。防寒具やカメラの予備電池は必需品。この場所は富士山から北側、太陽光が斜光線で入る為立体的に見える。紅から黄、白と雪面の色彩が刻々と変化する。思っている以上に光線の変化は早く迅速に撮影モードに入りたい。焦らないように日の出の1時間前にはカメラをスタンバイする。縦位置構図は山の高さを引き立たせる。一本の木の先端には偶然にも鳥が止まり、山の朝を演出してくれた。

3月おすすめスポット

ダイヤモンド富士:富士宮市猪之頭林道・七面山。

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