小岩井 大輔流 富士山と出会う

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第7回
「朝焼け富士」朝霧高原

9月下旬 マミヤ645PRO 三脚使用 45ミリ F8 AE

おかげさまで無事に12年目の山頂生活も終わり、下山いたしました。ありがとうございました。3776mから一気に下界へ…真冬から厳しい残暑で夏バテ状態です。台風も頻繁に到来し、上空は確実に夏から秋へ変化しています。

気流の変化が激しいこの時期は、富士山撮影に気合が入ります。富士山が遠く離れた台風や低気圧の影響を受けてつくり出す、朝焼け、彩雲、吊し雲や笠雲といった珍しい現象に出会えるからです。変幻する富士山を狙うためには、頂上付近から太陽が昇る場所を探し撮影しましょう。空は均等に焼け、フレーミングも取りやすくなります。

広大な牧草地が広がる朝霧高原は一年を通して富士山から日が昇ります。天気の変わり目を狙って富士山を目指すと、夜明け前から雲が広がり、珍しい現象に出会えるのではないかと、期待が高まります。何年もかけて追い求め、イメージしている風景に出会えると思うと心が躍り、この時間帯はとてもドキドキします。一焼け、二焼け、三焼けとありますが、一番輝いている光景は一瞬なので、迅速な行動が必要です。フィルムの残枚数や、デジタルであればメモリー残量は状況をみながら確認しましょう。カメラを数台用意するのも1つの方法です。この写真は、空が真っ赤に染まった瞬間、無心でシャッターを切ったものです。

富士山がつくり出す世界は、無限大に広がっています。素直に足繁く通い富士山を愛していると、必ず素晴らしい光景を見せてくれます。

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