写真家・秋野深のやさしい旅のフォトレッスン

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第17回
背景に配慮して桜の色彩を上手に表現しよう!

早いところでは、そろそろ桜の開花の話題が出てくる時期になりました。木に名前がついているような有名な桜であれ、近所の公園の桜であれ、桜はいたるところでこの季節に私たちの目を楽しませてくれる特別なお花です。ところが、「桜の撮影は難しい」という声をよく耳にします。ほとんどの桜は淡く薄い色をしているためか、写真にしてみると桜の存在感がどうもうまく出せない・・・ということなのかもしれません。
今回のレッスンでは、そんな淡い桜の花の色を写真の中で際立たせるためのポイントについてお伝えします。

■桜の周囲や背景をチェックして、暗めの部分を探してみよう!

桜の花をアップで撮影するとき、写真の中を桜で埋め尽くして、明るく淡い雰囲気を強調することも可能です。ですが、今回は、桜の色を際立たせる別の方法をお伝えします。それは、暗めの背景の中で桜の色が浮かび上がるように撮影する、という方法です。背景が暗いことで、桜の色の白さやピンク色の淡さがかえって際立って見えるようになります。


【写真2】


【写真1】


【写真1】では、日陰で暗くなっているところが背景になるように捉えてみました。高いところに咲いている桜を狙うと、背景は空になりやすいです。ですが、低いところに咲いている桜だと、周辺の林や地面などの暗めの部分を背景としてこのように捉えやすくなります。

【写真2】は、桜の木の幹が背景になる花を見つけて撮影したものです。桜の木の幹は比較的暗い色のものが多いので、幹に近いところに咲いている花だと、背景を暗めにしやすいでしょう。



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