写真家・秋野深のやさしい旅のフォトレッスン

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第8回
天気がよくない日にも撮影を楽しもう!

清々しい日々が続く5月も終わり、梅雨のシーズンが近づいてきました。湿度が高く、しとしとと降る長雨の日々・・・。決して天気がよいとは言えない梅雨時期に、好んで写真を撮りに出かけようという人は少ないかもしれません。

でも、ちょっと待ってください! 天気がよくなければいい写真は撮れないのでしょうか? 写真撮影は楽しめないのでしょうか?そんなことはありません!

「今日も天気が悪いなぁ」「せっかく旅行に来たのに残念だなぁ」・・・そんな日には、このレッスンの内容をぜひ思い出してみてください。

天気に対する先入観や思い込みを持っていませんか?


【写真1】
雲の切れ間から光芒が降り注ぐ。
こんな光景に出会えるのは雲が多くて天気が悪い日。

「天気がよい日=写真日和」、「天気が悪いときれいに写らない」。そう思い込んでいる人は多いものです。もちろん天気が悪い日よりは天気がよい日のほうが、出かけていても嬉しいものでしょう。でも、だからと言って「天気の悪い日に写真なんか撮ったって・・・」と最初から決めつけてしまうのはもったいない気がします。先入観や思い込みが多いほど、写真を撮るときの表現の選択肢を失ってしまっているとも言えるのです。 もっとも、土砂降りや暴風雨の日に撮影というのはいくらなんでも無理がありますよね。でも、曇りや小雨くらいの日ならば、晴れた日とは違う環境で違う写真撮影を楽しむことはできるものです。
言うまでもなく、きれいな青空は天気のよい日にしか撮ることができません。では、雨の日にしか撮れない写真はどんな写真でしょうか? 例えば、水たまりに反射する情景、葉っぱからしたたり落ちる水滴、カラフルな傘、濡れて輝く石畳・・・どれも天気のよい日には撮りたくても撮れないものばかりです。また、空模様のドラマチックな瞬間は天気が悪いときに突然やってきたりするものです。先入観や思い込みを崩して、考え方をちょっと変えてみると、これまで気がつかなかったものを魅力的な被写体として発見できるようになるかもしれません。

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