大人の旅(人生)のはじめ方

バックナンバー

第2回
旅のチカラで復興応援 ~今こそ東北へ~

2011年3月11日、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生しました。今回の震災で多くの被害が出た東北地方は、四季折々の自然の景観、長い歴史を有する神社仏閣や豊かな山海のめぐみなど、旅行者にとって魅力あふれる地域といえます。青森の弘前城公園、秋田の角館武家屋敷、岩手の北上展勝地、山形の置賜、宮城の白石川堤、福島の三春など桜の名所も数多くあります。この震災は、日ごとに暖かさが募り、春の訪れが少しずつ実感され、東北方面への本格的な旅行シーズンの幕開けを間近に控えていた矢先のことでした。

今回の地震で被害にあわれた方を応援したいという思いで、寄付をされたり、被災地へ行きボランティア活動をされた方も多くいらっしゃいます。逆に観光旅行というと物見遊山というイメージからか、見合わせされる方が多いのが現実です。困っている人がいるというのに自分だけ楽しみに行くのは・・・。確かに道路や鉄道などの支障により行くことができないという事実もあるでしょう。

観光の語源は、中国『易経』の「国の光を観る、もって王に賓たるに利し」という一節に由来するといわれています。東北は前述の通り、四季折々の魅力にあふれる地域、まさに光にあふれる地域です。そして、その光を輝かせることに携わっている方も多くいらっしゃいます。旅館、ホテル、鉄道、バス、入場施設、レストランやお土産店など、直接的に旅行者と接点を持つ職業に従事されている方もいれば、そのような企業に対してモノやサービスを提供される職業に従事されている方もいらっしゃいます。このように観光というのは実に裾野が広く、地域の経済、雇用を支えているものといえるのではないでしょうか。

よって旅行者が実際にその地を訪れ消費を行うことで、その地域の経済の活性化につながり、そのことにより復興推進の後押しにもなるのではないかと思います。復興を応援するスタイルは様々ですが、東北へお出かけになり、泊まる、観る、食べる、買うといった行為を通じた応援を多くの方にしていただきたい、そう思うのです。

コメント