大人の旅(人生)のはじめ方

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第5回
この年末年始は音楽をテーマに海外で…

ところで年末といえば、日本ではいたるところでベートーヴェンの「第九」が演奏されますが、本場のドイツではどうでしょう?
年末に「第九」を演奏するという習慣はドイツにはありません。しかし、例外的に戦前から演奏されている街があります。それは劇作家・詩人シラーが、「第九」の第4楽章に使われた詩「歓喜に寄す」を書いた街ライプツィヒです。

ドレスデンとは違ってライプツィヒは、市民が支配する都市として繁栄を極めた街で、その象徴ともいえるゲヴァントハウス管弦楽団は、1743年に市民の力で創立された、オーケストラとしては世界最古です。メンデルスゾーンが12年間音楽監督を務め、自らの作品やシューマン、シューベルトの作品を数多く初演しています。
「歓喜に寄す」ゆかりの街でゲヴァントハウス管弦楽団は、長年ジルベスターコンサートとして「第九」を演奏していますが、ベルリンの壁崩壊、東西ドイツ統一後、ベルリン・シュターツカペレもニューイヤーコンサートとして、「第九」を演奏するようになりました。
当時東ベルリンのオーケストラであったベルリン・シュターツカペレは、西のベルリン・フィルのジルベスターコンサートに対抗して、年始の特別演奏会を始めたのですが、シラーが「愛と平和と喜び」をテーマにして書いた詩が歌われる「第九」が、演奏曲目にふさわしいと考えられたようです。

ドイツが世界に誇る4つのオーケストラの年末年始特別演奏会を、それぞれの常任指揮者で、そして拠点ホールで鑑賞できる旅行、それはクラシック音楽という歴史に彩られたヨーロッパに根付いた無形の楽しみと、その場に居合わせないと体験できない感動の瞬間を約束する、ライブデスクならではの企画なのです。

12月31日にウィーン国立歌劇場で「こうもり」を観て、1月1日に楽友協会ホールでニューイヤーコンサートを聴くという伝統的な年末年始の過ごし方に代わって、12月29日~1月1日に4つの名門オーケストラを聴き比べるという過ごし方が、近い将来定着することでしょう。

※記事で紹介したツアー
「欲ばり!ドイツ・名門オーケストラの競演7」
http://www.royalroad.jp/live/tour/p101.asp

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