荒野のエッセイスト(映画編)

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第15回
マイケル・ウィンターボトム監督と新作「トリシュナ」のこと

「トリシュナ」のワンシーン。フリーダ・ピント

このところ写真にツイていない。
本州にいるはずのないアカボシゴマダラという大型のチョウを東京の真ん中で見つけ、
家にカメラを取りに帰り、すぐに引き返したが、
当然のようにチョウは消え去っていた。
妻に、なぜケイタイで撮らなかったのか、と尋ねられ、愕然とした。
ケイタイにカメラの機能が付いていることを忘れていた。

東京国際映画祭が、10月22日(土)~30日(日)まで開催された。
ゲストの目玉はジャッキー・チェンとミラ・ジョヴォヴィッチだが、
僕はマイケル・ウィンターボトム監督に注目していた。
「GO NOW」のような泣ける青春映画
「ウェルカム・トゥ・サラエボ」のような政治的な作品
「キラー・インサイド・ミー」のような渇いたサスペンス映画
と、ウィンターボトム監督の作品のチョイスは多岐にわたるが、
そのどれもが高いクオリティーを保っている。

10年前は審査員として来日。
今日は新作「トリシュナ」をコンペティション部門に出品し、審査される側にまわっている。
イギリスの文豪、トーマス・ハーディの「テス」が原作。
僕はこの作品の記者会見の司会を担当することになった。

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