荒野のエッセイスト(映画編)

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第16回
生ブラピを見る

「マネーボール」の評判がすこぶるいい。

公開前日の11月10日、主演・プロデュースのブラッド・ピットを迎えて、
六本木のグランドハイアット東京で、来日記者会見が行われた。
開場は午前10時30分、スタートは午前11時の予定。
定刻の少し前には司会の伊藤さとりと通訳の早百合がステージ脇にスタンバイ。
2人とも東京国際映画祭で一緒に仕事をしている仲間だ。
この日のブラピは、朝の取材で、映画とは無関係な家族の話題、
つまりアンジェリーナ・ジョリーと6人の子供たちに関する質問ばかりが続き、
少々ご機嫌ななめという情報が伝わってくる。
司会者からケイタイでの撮影など、細やかな禁止事項が伝えられ、
さらに正午の終了予定時刻が、午前11時45分に変更となったと伝えられる。
会場に小さな緊張感が走る。

予定を15分ほどオーバーした午前11時15分にブラピが登場。
うーん、美しい!
黒のパーカーの上に半そでの黒のジャケット。
ロンゲにヒゲにサングラス……。
普通の人だったら、むさ苦しくなっても不思議はないのだが、
何とも言えない清涼感が漂っている。
スターの中のスター。
もう超人類の領域だ。
しかし、質問に対する答えは実に人間的。
どんな質問にも真面目に丁重に答えてくれる。
「この映画は負け犬とレッテルを貼られた人々の勝利の物語なのです」
決して機嫌は悪くないようだ。
「何かジンクスはありますか?」
という質問に対しては、
「妻か子供たちのものを必ず何か身につける」
と、自分から家族の話題に触れたりもする。

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