荒野のエッセイスト(映画編)

バックナンバー

第22回
果たして「ヘルタースケルター」は面白いのか?

話題の映画である。
良いにつけ、悪いにつけ、
センセーショナルな話題を振りまいている。
公開を危ぶむ声も出ている……。
これは見ないわけにはいかない。

本編が始まるとほぼ同時に
沢尻エリカの上半身のヌード。
さらにはこの映画での最も激しいセックス・シーン。
この展開は正解だろう。
脱ぐのが分かっているだけに、
早く決着をつけてくれないと
いつ見せてくれるのだろうと気が急いて、
映画に集中できなくなってしまう。
とにかく色も形も美しい柔らかそうな裸体と
エロい濡れ場を早めに見ることができて、一安心。

さて、沢尻エリカの最初のセリフ。
自分を映しだした巨大な鏡に向かって
「鏡よ鏡、この世界で一番美しいのはだれ?」
これを聞いてまずは「いいね!」と思う。
不自然なセリフをナチュラルにしゃべる。

主人公であるナーバスでエキセントリックな「りりこ」は
日本の芸能界のトップスター。
その美しさにはだれもが目を見はる。
楽屋ではわがまま放題。
当然、エリカ様の姿と重なる。
ハマりすぎるほどハマっている。
ところが、劇中では、その美しさは隅から隅まで
整形手術によって作られたものという設定。
ここがりりことエリカとの違い。
沢尻エリカの美しさは何ともナチュラル。
そういう意味ではミスキャスト。

原作漫画と比較すると、
エリカとりりこは全く似ていない。
むしろりりこのライバルとなる
こずえ(水原希子)の顔の方がりりこに近い。
マネージャー役の寺島しのぶは
イメージが違いすぎる。
先に原作を読んでなければ、
こんなことは思わずに済んだのにな。

コメント