荒野のエッセイスト(映画編)

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第25回
3D映画で見た風景

まずはこの写真をごらん下さい。
中国湖南省の武陵源。
多くの中国通が「最高だった」と口を揃える場所で、
数百メートルもある石の柱が
見渡す限り一面に立ち並んでいる。
斜面はどこも険しい断崖絶壁だが、
所々に緑の植物がいい感じにへばりつき、
妙な暖かさをかもし出している。

こういう巨大なスケールの
とんでもない景観を目にした時、
僕にはもう何も言葉は浮かばない。
ただポカンと口を開け、

スゲー……

と深いため息をつくだけだ。
見たことのないはずの風景だが、
どこかで見た覚えがあるような気がする。
何だろう……?
いつだろう……?
その謎は突然解けた。
山頂の土産物屋で3Dの写真が売られている。
そこにはジェームス・キャメロン監督の話題作
「アバター」(2009年)
のワンシーンが写っていた。
それはナヴィと呼ばれる生命体の住んでいる場所。
そのモデルであり、ロケ地がここだったのだ。
日本に帰ってさっそくプログラムをチェックする。
はい、こちらをごらん下さい。

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