荒野のエッセイスト(映画編)

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第26回
「アウトレイジ・ビヨンド」

9月10日付けの「日刊ゲンダイ」に
「世界映画祭に踊らされる日本人」
というタイトルのコラムが載った。
そこにはモントリオール世界映画祭に出席した高倉健や
ベネチア国際映画祭の北野武(ビートたけし)の写真が添えられ
次のような僕のコメントが取り上げられている。
「映画祭でハクをつけようという姿勢が
悪いとはいいません。
ただこうした風潮のせいで
観客は作品の出来よりも話題性ばかりを
気にするようになってしまった」
僕が記者に話した通りの内容である。
ただし、この誌面を借りて
ひとつつけ加えておきたいことがある。
僕は決して映画祭を批判しているわけでもなければ、
ましてや高倉健主演の「あなたに」や
北野武監督の「アウトレイジ・ビヨンド」が
取るに足らない映画だと言っているわけではない。
むしろ「アウトレイジ・ビヨンド」などは
ここ10年の北野作品の中で最高のデキだと思っている。
娯楽作品としてひときわ優れている。
いい意味で肩の力が抜け、話の運びがスムースで
物語に無理なく引きずり込まれて行く。

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