荒野のエッセイスト(映画編)

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第27回
007がやって来た。

007シリーズが50周年を迎えた。
最初に登場したのが1962年の「007は殺しの番号」。
ダンディーな秘密諜報部員のジェームズ・ボンドを演じたのは
言わずと知れたショーン・コネリー。

現在のボンドは6代目のダニエル・クレイグ。
歴代のボンドを紹介すると
1~5、7作目がショーン・コネリー
6作目がジョージ・レーゼンビー
8~14作目がロジャー・ムーア
15~16作目がティモシー・ダルトン
17~20作目がピアース・ブロスナン
20~23作目がダニエル・クレイグ
となる。

自慢じゃあないが、僕はこの007シリーズを
すべてリアルタイムで見ているのだ。
単にジジイってことか。
第一作の「007は殺しの番号」は日本では1963年に公開されたが、
リバイバル上映の際に「007/ドクター・ノオ」に改題され、
今ではそちらが正式タイトルとなっている。
こういう例は珍しい。

第二作はもっとすごい。
公開時のタイトルが「007危機一発」。
危機一髪ではなく一発だ。
わざわざ間違っているのだ。
当時の国語の先生はみんな怒ってたね。
これは当時ユナイト映画の宣伝部にいて
後に映画評論家となる水野晴夫のしわざ。
後にこの人はビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」に
「ビートルズがやって来るヤア!ヤア!ヤア!」
という邦題をつけている。
まあ、何はともあれ、危機一発はないだろうと、
後に「007/ロシアより愛を込めて」に改題された。
では、ここで問題です。
映画の中で一番ボンド役を演じたのはだれでしょう。
数えてみると
ショーン・コネリーが1~5と7で合計6作、
ロジャー・ムーアが8~14で合計6作……
コネリーとムーアが同率で首位!
と普通は考えるが、実際はそうではない。
タイトルに007の文字はないが、
「ネバー・セイ ネバー・アゲイン」
という映画があり、この主人公はジェームズ・ボンド。
製作会社の違いなどでそんな事態となったが、
これをショーン・コネリーが演じている。
そんな訳で第一位は今のところショーン・コネリー!

さらにもう一作、番外編とも言うべき
「007/カジノ・ロワイヤル」があり
(もちろん第21作の「007/カジノ・ロワイヤル」とは別の映画)
こちらはピーター・セラーズ、デヴィット・ニーヴン
ダリア・ラヴィ、テレンス・クーパー、そして
初代ボンド・ガールのアーシュラ・アンドレスの5人が
007を演じている。
つまり、パロディーと言うか、オマージュと言うか、フザけているのだ。
宿敵のドクター・ノアを演じるのはウディ・アレンだし……。

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