荒野のエッセイスト(映画編)

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第33回
お気に入りのプログラム ジェーン・フォンダの巻

強いて言えば……
あくまで強いて言えば、だが……
僕の最大のお気に入りは
このプログラム……


ロジェ・ヴァディム監督の「輪舞」(1964年)。
この時代のプログラムは一冊¥50または¥100。
これは¥100の方。
表紙は主演者の一人、ジェーン・フォンダ、だけ。
余計なものは一切排除されたスマートなデザイン。
日本語のタイトルさえなし。
高校生だった僕は
ジェーン・フォンダの圧倒的な美しさにシビれた。
抜けるような白い肌。
青い瞳とブロンド・ヘアーと紅色の唇。
父親(名優ヘンリー・フォンダ)ゆずりのホウレイ線。
バリバリのニューヨーカーが
フランスのエロスと出会った瞬間だ。
僕は飽くことなく眺め続けた。
持つ手には手袋をはめて。
指紋が付くのがいやだったから。
だから、50年も経っているのに、
ほとんど汚れてないでしょ!

60年代のジェーン・フォンダの主演作には、
なぜかしゃれたものが多い。
イラスト仕上げの「キャット・バルー」(1966年、¥50)
と「バーバレラ」(1968年、¥100)
もお気に入りなので、ついでにご紹介します。

キャット・バルー

バーバレラ


僕の命の次の次ぐらいに大切なもの。
それがこれらのプログラムだ。

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