荒野のエッセイスト(音楽編)

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第1回
Viva エルヴィス
町内の若い衆がよってたかって……

2曲目は、今年公開された映画「エリックを探して」でも効果的に使われていた「ブルー・スエード・シューズ」が、抜けのいい今どきのサウンドに乗って登場。
はい、ウケましたねェ。
思わず大爆笑。
作っている方は笑わす気はないのだろうが、人間は予想と全く違った事態に遭遇すると笑ってしまうことがある。今回がまさにそうでしたね。
僕の感覚からすると、「町内の若い衆がよってたかってエルヴィスをいじくりまわした」と言う感じ。
エルヴィスもまんざらではないという表情を浮かべている(予想)。
今の技術ってすごいわ。

低音を生かしたクリアーなサウンド。
2つのボーナス・トラックを加えて全14曲。「ザッツ・オール・ライト」「ハートブレイク・ホテル」等の定番(定盤)に混ざって、映画「アカプルコの海」でも流れた「ボサ・ノヴァ・ベイビー」のようなややマニアックな曲も加わり、バラエティーに富んだラインナップに仕上がっている。
特に、シングル・カットまでされた「サスピシャス・マインド」は圧巻。
パワフルで情熱的ないいロックンロールで、歌詞には「疑いの心を持ったままじゃ、僕たちはやって行けないよ」というちょっとした切なさが滲んでいるのだが、オリジナルよりむしろこちらの方がその辺のニュアンスがよく表れているような気さえする。

エルヴィスの再構築。
これもアリかな、という感じ。
これまでのエルヴィスは素材が命。
食べ物で言えば、極上の分厚いステーキ。
一方、こちらは同じ肉を使ったスパイシーなクリーム・シチューだ。
ちょっとファミレスっぽい味だが、10回に1回は気分を変えてオーダーしてもいいかな、という気もする。
とりあえず、買って正解ってことで、シャンシャン!
新鮮で口当たりもいいし、笑える。
すぐに飽きるかもしれないけどね……。

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