荒野のエッセイスト(音楽編)

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第2回
ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシックス
1966 カルテット
心地よい後味が残るが……。

音楽エッセイ第2弾ですね。
僕は最初がエルヴィスなら、次はビートルズと心に決めていた。
かと言って、今さらビートルズのオリジナル・アルバムを取り上げる気にはならない。
そちらはコアなビートルマニアにまかせておいて、こちらは何か別のものをと考え、CDショップをふらついていたところ、この「ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシックス」(日本コロムビア・全19曲・定価¥3,000)を発見。

ジャケットは「ウィズ・ザ・ビートルズ」のもろパクリ。
元ネタは加山雄三&ザ・ワイルドワンズ(5人だが)も、フォーリーブスも、ガロ(3人だが)もパクッたことのある、世界でも3本の指に入る有名なハーフ・シャドウのレコジャケだ。
演奏しているのは1966カルテット(写真参照)。
ヴァイオリン×2、チェロ、ピアノ、という編成で、ヴォーカルはなし。言うまでもなく1966とはビートルズが来日した年。
1曲目にはアルバム・タイトルの「ノルウェイの森」が静かに流れて来る。
続いてシャンソンのようなイントロから、世界中でもっとも沢山カヴァーされている「イエスタデイ」へとおごそかに移行する。
キャッチコピーには「ビートルズの名曲の数々がクラシックになった!」とあるが、どんな編成とアレンジで演奏されてもビートルズはどこまでもポップで新しい。
初期のヒット曲がメドレーで流れる。
テンポもキーもかなりオリジナルに忠実だ。
「レット・イット・ビー」にはパッヘルベルの「カノン」をかぶせたり、クラシカルな装いがほどこされている。

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