コミュニケーション達人への道

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第74回
オンラインコミュニケーションの受発信

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米国大統領のドナルド・トランプ氏とマスメディアの対立は公然のこととなっています。

トランプ氏は歴代の大統領と比較にならない頻度でツイッターを用い発信しています。しかも、その内容はストレートで激しいものが多く、“喧嘩上等”と啖呵を切っている様に感じられる程。
内容への賛否はともかく、これまでの大統領にはいないタイプであることは間違いありません。

日本でもメディアを介した発信ではなく政治家やタレントがSNSなどのコミュニケーションメディアを介して発信するスタイルが定着しています。
メディアのフィルターを通し、チェックを受けた情報と第三者のチェックがない一人の個人が発信する情報ではその信頼度が違いますが、そのフィルターであるメディアによる情報の歪曲がないとは言い切れないことも。

多くの情報の“発信者”は、より多くの人に発信した情報を伝えたいと望み、より多くの共感を獲得したいと願っています。だからこれまでは“マス(大衆)”に伝達するメディアを利用した方が効率的だった訳ですが、いまやSNSフォロワーが多い著名人や多くのビューアーを集めるYouTuber等発信エリアが広く対象も巨大な個人が情報発信の中心になりつつあります。これからますますテレビや新聞などのマスメディアと個人メディアの発信する情報の精度や正確性を受け手である自分自身が判断して咀嚼する時代になっていくことは間違いないでしょう。

けれど一連のトランプ氏のツイッター発言でもわかる様に、個人がオンラインで発信することは見えない相手に向かって球を投げ続ける様なものです。
顔の見えない相手とのコミュニケーションは一方通行であり、双方向のコミュニケーションではない事を理解して使わないと大炎上どころか大やけどを負うことに繋がりかねません。
逆に、受け手としても顔の見えない相手からの憎しみや悪意をぶつけられ、バッシングを受けても強くいられる人はごく僅かです。

特に日本は和を良しとする精神が強い国です。だから出る杭を打ち、曖昧さを好んできました。
“できる事なら揉め事は避けたい”=“争いたくない”という願い、勝ち負けを曖昧にしておき、誰かから憎まれたり妬まれたりすることを避け、穏やかに暮らしていきたいと望んでいる人が多く存在する国が日本なのです。
だから日本では争いの火種をまき散らす様なストレートで激しい発言をする発信者に対しては内容よりも、そんな発言をする人に対する不快感を強く感じる人が多くなります。

言葉の持つ力は発信者の予想以上の想像以上の大きさで受け手の生きる力になることもあれば生きる力を奪うこともあります。

情報の受け手が今どんな状態でいるのかを予測、把握しながら、発信を調整できる対面や音声のコミュニケーションと異なり、発信者が一方通行に情報のボールを投げるオンラインコミュニケーションは、情報の受け手側は精神的に弱まっている時や怒りを抱えている時に関わるのは控えた方が良いでしょう。そんな精神的に弱まっている状態に顔の見えない相手からの悪意の言葉を見てしまうと生きる気力を失ったり、怒りからの破壊衝動を喚起してしまうかもしれない程の影響を及ぼす危険性をはらんでいます。

2ちゃんねるや掲示板、ツイッターなど匿名で発言できるオンラインコミュニケーションツールが活発になってから公衆トイレへのいたずら書きが減ったそうです。
つまり、万が一、マイナスな情報を目にしてしまった時は、自分の氏名を明らかにせず発言している人はいたずら書きをするような気分の情報発信なのでそんな内容をいちいち気に留める必要はないと捉えてください。
しかしながら出した言葉を引っ込められないと同時に、見てしまった情報を無かったことにもできません。
だからマイナス発言や批判をするようなコメントが溢れているオンラインコミュニケーションプラットフォームとは距離を置くことが一番です。
“深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ”というニーチェーの言葉に表されている様に闇を覗き続けることは闇に捉われていく危険性をはらんでいることを忘れない様にしてください。

そしてもし自分が発信する側になった場合は、見えない相手が自分の発信した情報に傷付く人が出ない様に配慮と思い遣りをもった表現を心がけましょう。日本人の美徳の一つである“お互い様”の精神が、その時々の立場で誰かを攻撃したり、批判する行動の抑止力になると信じています。

2017年は思いやりや愛情に満ちた言葉がオンライン上に溢れ、感動や笑顔になる人達が増えていく一年なるといいですね。



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